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《エリ女》“三強”すべてに不安が…“超良血”秋華賞馬アカイトリノムスメに勝てる馬は?「レイパパレ&ルメール」幻のコンビも実現
posted2021/11/13 11:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
JIJI PRESS
ハイレベルな3歳の良血女王か、無敗で頂点に立った快速馬か、それとも、スタミナに絶対の自信を持つ実力馬か。
第46回エリザベス女王杯(11月14日、阪神芝内回り2200m、3歳以上牝馬GI)は、中距離の女王決定戦にふさわしい、個性豊かな強豪の争いとなる。
最初に言っておくが、難解である。
先月の天皇賞・秋ほどの「絶対感」はないが、ここも「三強」の争いとなるだろう。今回は三強それぞれに、買いたくなる強みもあれば、本命視するのを思い止まりたくなる不安点もある。
1番人気アカイトリノムスメは斤量がカギ
1番人気に支持されるのは、おそらくアカイトリノムスメ(3歳、父ディープインパクト、美浦・国枝栄厩舎)だ。
母が牝馬三冠馬アパパネという超良血。3連勝でクイーンカップを制して重賞初勝利を挙げ、桜花賞4着、オークス2着となり、前走の秋華賞でGI初制覇を遂げた。
秋華賞は、距離こそ違うが、ここと同じ阪神内回りコースだったので、コース適性は文句なし。調整過程も完璧だ。
今回が古馬との初対戦になるが、スプリンターズステークスをピクシーナイト、天皇賞・秋をエフフォーリアが制しているように、今年の3歳勢はレベルが高いし、古馬より2kg軽い54kgの斤量は大きなアドバンテージになる。
不安材料は、「2000m以上」という距離
ただ、秋華賞からひとハロン延びる2200mが若干気になる。というのは、オークスのゴール前での失速の仕方が、「伸び切った」という感じではなかったからだ。ラスト200m手前で前が開いてから弾けるように馬群を割ったが、抜け出してすぐ左手前に戻して内にモタれかけたところを鞍上の左ステッキで修正されて、1馬身差の2着だった。
国枝調教師は「母は1600mから2000mという感じだったが、こちらは2000m以上という感じ」とコメントしているので心配ないかもしれないが、それでも、切れる脚があるぶん、本質的には2000mまでがいいような気がする。