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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ハリル「お前の良さは爆発的なスプリントではなく…」 5年前は抵抗があった原口元気だが《オシム的なスタイル》で代表に貢献を
text by
原口元気Genki Haraguchi
photograph byJFA/AFLO
posted2021/11/10 17:02
2016年のハリルホジッチ監督と原口元気。あれから5年、サイドアタッカーからの変貌を遂げている
その後の所属クラブでも、このポジションで起用されることが増えていったので。2019年の11月に当時のハノーファーの監督にコチャックさんが就任すると、「お前は絶対に真ん中の選手だ」と言われ、コンバート。そして、そこでのプレーが評価されてウニオンに移籍。以前の僕はずっと「自分はサイドの選手だ」と考えていましたが、複数の監督から中央のポジションで起用されるということは、そこのポジションにも適性があるということなのかなと感じています。
考えて走ることが良いサイクルを生み出している
中央のポジションで起用されるときに感じるのは、頭をフルに回転させていく面白さです。
サイドの攻撃的なポジションでは、相手のサイドバックやウイングバックとの駆け引きが中心で、頭をフル回転させるというよりは、比較的シンプルに考えた上でのプレーが多くなります。また、時間帯によってボールが回ってこないため、辛抱強く待つことも求められます。
一方で、中央のポジションでプレーしているときには、自分や相手の動き方によって変わってくる要素がすごく大きい。自分のパスの受け方一つでも、味方や相手のことをコントロールできる。つまり、ダイナミックにプレーするより、クリエイティブにプレーすることを求められている感じです。「この場面では相手の攻撃を受ける可能性が高いから少し下がろう」とか、「この時間帯では前からプレッシャーをかけにいったほうがボールを奪えそう」など、状況に応じた判断をしている。
そのあたりの判断については言語化しづらいのですが、「読み」という言葉が近いのかなと。一つ言えるのは、そういった感覚的な部分は、間違いなく若い頃よりも研ぎ澄まされている感覚があるということです。
サイドでプレーするときにも、中央のポジションで出場しているときにも、頭を使ってプレーしていることに変わりはないのですが、インサイドハーフではプレーに関わる機会が圧倒的に多い。だから、考えながら走っている感じがあり、それも自分のなかで良いサイクルを生んでくれている感覚があります。
実際に、それはデータでも表われています。