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「野球人生でやり残したことは『ヤクルトでの優勝』だけ」6年ぶり歓喜の立役者・青木宣親がついに掴んだ頂点 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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posted2021/10/27 17:10

「野球人生でやり残したことは『ヤクルトでの優勝』だけ」6年ぶり歓喜の立役者・青木宣親がついに掴んだ頂点<Number Web> photograph by KYODO

39歳、プロ生活18年目のシーズンを主力として戦い抜いた青木。優勝決定時点で121試合に出場し、打率.258、9本塁打などの活躍を見せた

 10月8日、プロ2年目の新鋭・奥川恭伸の好投で、ついにマジック11が点灯した。9月には13試合負けなしの9連勝を記録し、10月6日からの巨人、阪神との勝負の6連戦も5勝1敗で乗り切った。マジック消化も時間の問題だと思われた。

 しかし、勝負の世界は甘くない。その後のヤクルトに今シーズン初と言っていい停滞期が訪れた。10月19日からの甲子園2連戦は1敗1分、21日、神宮球場での対広島戦では7回に7失点を喫する大逆転敗戦を経験した。19日は11失点、21日も11失点、さらに23日も11失点……。チーム全体にイヤな雰囲気が漂っていた。

今季最大の苦境を救った青木の言葉

 このときも、青木は動いた。自ら仲間に声をかけて緊急ミーティングを行ったのだ。その際に、「止まるな」と言い、「野球だからミスもあることだろうし。小さくまとまらないようにやっていこう」と声をかけたという。

 自らの「やり残したこと」を実現させるためには、チーム一丸となって闘う姿勢を取り戻すことが不可欠だ。ミーティングを招集した青木の「優勝したい」「何としてでも優勝するんだ」という強い思いが伝わってくるようだ。そして、このミーティングは今季最大のチームの苦境を救うことにもなった。24日の対巨人戦では、久々に投打の歯車がかみ合い、見事な勝利を収め、チームに再び勢いをもたらした。

 かつて、インタビューした際に、青木はこんなことも言っていた。17年シーズンに屈辱のシーズン96敗を経験した後輩たちの姿を見た際に意識していたことだ。

「気持ちを前向きにしてあげるというか、後ろ向きな感じをなくすというか、意識したのはそこですね。実際、自分もアメリカに行って、“メンタルってすごく大切だな”って学んだんです。やっぱり、毎日フレッシュな気持ちで球場に来ることが大切。でも、ただ反省するだけで終わっているんです。結局、メンタルを前向きにしてやってる人が少ないように感じたんです」

 青木のキャプテンシーがあればこそ、若手選手たちの意識改革はなされたのである。

【次ページ】 栄光の頂を目指して

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