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「野球人生でやり残したことは『ヤクルトでの優勝』だけ」6年ぶり歓喜の立役者・青木宣親がついに掴んだ頂点 

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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posted2021/10/27 17:10

「野球人生でやり残したことは『ヤクルトでの優勝』だけ」6年ぶり歓喜の立役者・青木宣親がついに掴んだ頂点<Number Web> photograph by KYODO

39歳、プロ生活18年目のシーズンを主力として戦い抜いた青木。優勝決定時点で121試合に出場し、打率.258、9本塁打などの活躍を見せた

 日本球界復帰直後となる18年シーズンはリーグ最多となる19死球を食らった。今シーズンは新型コロナウイルスの濃厚接触者として、二度の離脱を余儀なくされた。コンディション維持は相当大変だったことだろう。シーズン序盤にはなかなかヒットが出ずに苦しんだこともあった。神宮球場バックスクリーンには、これまでに見たことのない打率が刻まれていた。

 それでも、青木は青木だった。シーズン中盤から、終盤にかけての大事な時期に常に気持ちを入れたプレーを続けた。冒頭に記したようにレフトのポジションから、常にナインを鼓舞し続けた。プロ18年目、もうすぐ40歳になろうとしている。それでも、日米通算2500安打を達成した大ベテランが泥臭くプレーを続けているのだ。その姿を見て、山田哲人が、村上宗隆が奮起しないはずがないではないか。

 今年のヤクルトの快進撃の陰に、青木の存在が大きかったのは間違いない。青木にとって「唯一のやり残したこと」を手にするために、なりふり構わず奮闘し続ける姿はヤクルトファンの胸を打ち、チームメイトの心に響いたことだろう。

栄光の頂を目指して

 2021(令和3)年10月26日――。

 ついに青木宣親は「やり残したこと」をやり終えた。……いや、本当の戦いはここから始まる。クライマックスシリーズ、そして日本シリーズ。戦いはまだまだ続く。先に挙げた歴代背番号《1》の系譜において、若松も、池山も、岩村も日本一を経験している。

 日本一経験のない背番号《1》は山田と青木だけだ。ここから始まる熾烈な戦いの果てには、山田にとって、そして青木にとって初めてとなる頂点が待ち構えている。栄光の頂からの眺望はどんなものなのだろうか? チームリーダーとしてナインを引っ張り続けてきた青木の戦いはまだまだ続く。青木なら、まだまだやってくれるはずだ。さぁ、お楽しみはこれからだ――。

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