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オシムが語る日本代表…中国戦は「最高の結果」だが「誰も効果的ではなかった」と評価した真意とは? 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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posted2021/10/07 17:03

オシムが語る日本代表…中国戦は「最高の結果」だが「誰も効果的ではなかった」と評価した真意とは?<Number Web> photograph by Getty Images

1−0の結果に批判的な論調も多かった中国戦を評価したオシム。名将の目に現在の日本代表はどう映ったのか

「試合を見た人々やサッカーにとっていい結果だが、最後に得失点差がものをいうことが多々ある。もちろんボールを保持してクオリティの高いプレーにトライしたし、実際にプレーは悪くなかった。スピーディでダイレクトなプレーも多く、ワンツーや3人のコンビネーションも良かった。だがサッカーはボールをゴールにどれだけ入れるかを競うスポーツだ。その点では誰も効果的ではなかった。

 そこは中国も同様で、私は彼らがもう少し強いと思っていた。近年はサッカーに力を入れ、著名な外国人を大金をかけて獲得している。どうすれば進歩するのか、国をあげて努力しなければそれは成し得ないことを彼らは理解したと思っていた。

 政治的にも経済的にも今日の中国は世界の大国だ。人口では世界一であることも忘れてはならない。友好関係を結べば、これほど頼もしい国はない。発展の可能性にも溢れている。

 サッカーに関してもそうで、人口の多さと経済力は彼らの大きな力だ。FIFAももう少し注目していい。ブラジルやアルゼンチンがW杯にずっと出場し続けているように、中国もW杯の常連国にやがてなっていくだろう。素晴らしいサポーターと素晴らしいスタジアム。素晴らしいサッカーを実現するための要素をすべて揃えている。残念ながら今はまだ努力が実を結んではいないが、そんな国を無視はできない」

――しかし前半の中国は消極的すぎませんでしたか?

観衆のためにサッカーがすべきこと

「こう言わなければならないのはとても残念だが、私は1対0で終わる試合を好んではいない。だが結果はとても重要だと言わなければならないのは残念だ。勝つことこそが第一だと。都合のいい言い訳だ。

 観衆の興味を引くために、魅力あふれる素晴らしいプレーを試みる。そうしたプレーを見るために若者たちはスタジアムに通う。彼らの望みを結実させるために、サッカーは何をしなければならないのか……」

――中国戦に話を戻すと、後半は試合がより拮抗しましたが……。

「だからこそサッカーの力にならねばならない。そのためには規則を少しずつ変えていく必要もあるだろう。素晴らしい選手や素晴らしいプレーを守るために。

 だがそれには莫大な金がかかる。金がなければ素晴らしいプレーを実現できない。若い選手がより屈強でハイレベルになっていくためには、またサッカーが魅力溢れるプレーを実現し続けていくためには、素晴らしいスタジアムや数多くのサポーターが必要だ。多くの選手にとって、スタジアムに5万人の観客が訪れるのはそれだけで印象深い。そこを維持していくべきだ。そうした舞台が生まれること自体がスペクタクルであるといえる。

 多くの観衆の前で素晴らしいプレーをする。いいプレーをして称賛を受け、ゴールを決める。それだけで大きな出来事だ。それを追求していくことがサッカーを高めていく。

 ところで夕食はもう済ませたか?」

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