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《セ・リーグ前半戦おさらい》首位阪神、巨人とヤクルトの追撃で気になる「引き分け数」…3強3弱の中で注目したい個人成績は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/08/12 17:04
首位で前半戦を折り返した阪神タイガース。矢野采配の下で2005年以来のペナント制覇なるか
3強3弱を覆す「台風の目」は現れるのか?
阪神の投手が10傑に4人。これを見ると前半戦の阪神の好調は先発、救援の投手陣が担っていたことが分かる。青柳は東京五輪では慣れない救援で打ち込まれたが、安定感は抜群だ。
巨人は高橋が最多勝だが、エース菅野智之が何度も戦線離脱。投手陣が先発、救援ともに今一つだった。
広島の森下は東京五輪では先発2番手として役割を果たした。同僚の栗林は五輪でも絶対的なクローザーだったが、5試合とも登板。登板間隔はあったものの、厳しいプレッシャーの中での力投が、後半戦に影響しないか気がかりだ。アメリカのセットアッパーだったヤクルトのマクガフにも同様の懸念がある。
ヤクルトは打線とは対照的に投手ではPRはセットアッパーの近藤弘樹の5.67が最高。先発陣の立て直しが急務だろう。
セ・リーグの最多奪三振は中日の柳裕也が112で2位巨人の戸郷を34も引き離してダントツのトップ。最多セーブは阪神スアレスの25、最多ホールドはヤクルト清水昇の25だ。
セ・リーグは3強3弱が固定し、ペナントレースの趨勢が決まったかのような勢力図になっているが、まだペナントレースは2カ月間続く。1カ月近いブランクの間に戦力が戻ってきたり、新戦力が加わるチームもある。4位以下のチームの中で、いわゆる「台風の目」が登場して、上位陣の脅威となり、ペナントレースをかき回すような展開を期待したい。
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