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空中戦で勝負せずに銀メダル 「世界でかっこいいスケーターに」12歳開心那“プロスケーターも驚く”2つの凄さ
posted2021/08/07 17:03
text by
梶谷雅文Masafumi Kajitani
photograph by
JIJI PRESS
北海道出身の12歳。真っ白のジャンプスーツに身を包んだ少女が縦横無尽に有明アーバンスポーツパークを滑り抜けて銀メダルを獲得し、日本最年少のメダリストとなった。「まったく緊張しなかった」と笑顔で語る彼女の言葉通り、世界レベルのパークで滑ることができるのを終始ひょうひょうと楽しんでいるようだった。
男子スケーターの中で「鬼攻め」していた10歳
初めて開心那の滑りを生で見たのは2018年だったと思う。当時の彼女は10歳。東京・渋谷駅前に設置した特設会場で開催した15歳以下のコンテストに招待したのがきっかけだった。招待者の中で女子スケーターは開ひとり。コンテストはふたりのスケーターが同時にコースで滑り競い合うというジャムセッション方式だったのだが、血気盛んな男子のストリートスケーターに物怖じすることなく、鬼攻めしていたのが印象的だった。
その翌年、2019年は開にとって快進撃の一年となった。6月にカリフォルニアで開催されたDew Tourで3位、8月のミネアポリスのX Gamesで2位、同月にパリで行われたVans Park Seriesで優勝、翌月ソルトレイクシティでのVans Park Seriesでは2位。世界の強豪が集まるグローバルコンテストという大舞台で着々と結果を残し、経験値を積み重ねてきた。
空中戦で勝負しなかったのに銀「2つの凄さ」
確かなスキルと経験値で五輪出場を決めて今回銀メダルに輝いたわけだが、ここではストリートスケーターの視点で彼女の魅力を解説させていただければと思う。簡単に言えば、開のスケーティングには、種目がパークであるにもかかわらずストリートスケーター受けする要素が色濃く見られる。