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空中戦で勝負せずに銀メダル 「世界でかっこいいスケーターに」12歳開心那“プロスケーターも驚く”2つの凄さ
text by
梶谷雅文Masafumi Kajitani
photograph byJIJI PRESS
posted2021/08/07 17:03
スケボー・女子パーク種目で銀メダルを獲得した開心那(12)
空中で勝負することなく、繊細なボードコントロールが要求されるリップトリックを中心にランを組み立て銀メダルに輝いた。
「上手くなりたい」ではなく「かっこよくなりたい」
競技を終えて行われたメダリストインタビューで「どんな自分になりたいか」と聞かれると、彼女は迷うことなく「世界でかっこいいスケーターになりたい。自分のシグネチャーモデルを出したい」とはっきり答えた。この言葉に彼女の魅力のすべてが集約されていると思う。
「上手くなりたい」ではなく「かっこよくなりたい」。そして「シグネチャーモデルを出したい」。
国内での“プロスケーター”の定義はさまざまだが、世界基準では自分の名前を配したボード、すなわちシグネチャーモデルをブランドからリリースして初めてプロスケーターとなる。スケートコミュニティでリスペクトを集め、海外のブランドから彼女のシグネチャーモデルがお披露目されるのも時間の問題かもしれない。
今回の五輪出場は彼女にとって、ひとつの通過点に過ぎないだろう。海外のコンテストや五輪で素晴らしい結果を残しているが、彼女はまだ12歳。この先も引き続き経験を重ね、まだまだ想像を絶する偉業を成し遂げていくに違いない。これからさらに、どんなに“かっこいい”スケーターに成長していくか、今から楽しみでしょうがない。