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「北京は“失敗”ではなかったかも」「サッカーがアンダーグラウンド化している」反町康治が語る“OA枠成功の舞台裏と本番への危機感”
posted2021/07/08 11:02
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph by
JMPA
男子サッカーにおけるオリンピックは、23歳以下(U-23)の世界大会と位置づけられているが、特例として年齢制限を受けない選手、いわゆるオーバーエイジ(OA)の選手が1チーム3人まで出場できることになっている。
だが、過去のオリンピックで日本は2度、OAの選手を招集せずに“純U-23代表”で出場したことがある。1996年アトランタオリンピックと、2008年北京オリンピックだ。
とはいえ、そこに至った過程には、ふたつの大会で大きな違いがある。
アトランタでは23歳以下の選手だけで出場することを選び、積極的にOAを“使わなかった”一方で、北京ではOAを“使えなかった”。チームに足りないピースを埋めるべく、遠藤保仁、大久保嘉人の招集を希望したが、選手自身のコンディション不良に加え、所属クラブとの交渉がうまく進まず、招集がかなわなかったためだ。
唯一OAを使えずに臨んだ北京オリンピックで日本の監督を務め、現在は日本サッカー協会技術委員長に就く反町康治氏に、前編に引き続き、話を聞いた(前編はこちら)。
オーバーエイジについて、どんな印象を?
――反町さんは、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航の3人が選ばれた今回のOAについて、どんな印象を持っていますか?
反町 OAをどうするかについてはいろんな考え方があって、例えば、チームのメインとなる部分をOAで作って、枝葉をU-24にするというのもあるし、U-24でメインを作ったなかで、足りないところにオーバーエイジを入れるという考え方もある。
今回に関して言うと、その両方を兼ねるようにOAを選んだんじゃないかな、と勝手に僕は推測している。だから、最終的にリストをもらったとき、これはいい選択だなと思ったよ。
――今回はA代表の主力をOAで加えたわけですが、この方針は次回のパリオリンピック以降も続くと考えていいのでしょうか? それとも、地元・東京でのオリンピックだから特別にできたことなのでしょうか?