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「南野拓実が途中離脱したけど、リバプールと…」 反町康治技術委員長が明かす“モメないための招集交渉術”と五輪OA枠の裏側
posted2021/07/08 11:01
text by
浅田真樹Masaki Asada
photograph by
JFA/AFLO,Getty Images
1996年アトランタオリンピック以降、日本は7大会連続でオリンピックに出場しているが、そのたびに問題になってきたのが、登録メンバーに3人まで加えられる24歳以上の選手、いわゆるオーバーエイジ(OA)の扱いだ(東京オリンピックは1年延期により、U-24の大会となったため、OAは今年25歳以上)。
OAは入れるべきか否か。入れるとしたら誰を入れるのか。
そんな議論が4年に一度、本番が近づくたびに繰り返され、挙句、監督が望む選手を招集できずに終わることも少なくなかった。
ところが、である。今回の東京五輪では従来のドタバタ劇がウソのように、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航という、海外クラブに所属するA代表の主力級を揃えることに、しかも、あっさりと成功した。
なぜこれほどのメンバーを、所属クラブとの交渉でもめることもなく、OAで招集することができたのか。
自身、2008年北京オリンピックでの監督経験を持ち、現在は日本サッカー協会技術委員長を務める反町康治氏に話を聞いた。(全2回の前編/後編はこちら)
JFAのヨーロッパ拠点ができたことは大きい
――過去のオリンピックのことを考えると、今回のOAの顔ぶれ、そして決定までの過程が円滑だったことに驚きました。
反町 まずは、日本サッカー協会(JFA)のヨーロッパ拠点ができたこと。それによって、海外組に関しての代表活動が非常に整理できたことが要因としてあると思う。そこが思っていた以上に機能しているな、というのはあります。
――ヨーロッパ拠点とは?