Jをめぐる冒険BACK NUMBER
久保建英や堂安律は順当、三笘薫も選出 “サプライズなしの18人”は五輪サッカー歴代最強の陣容…GKから1トップまで起用法をいち早く考察
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byMasahiro Ura
posted2021/06/22 17:10
U-24ガーナ戦のスタメン11人は全員五輪代表メンバー入りした。サプライズがなかった中で陣容を考察すると……
事前合宿からチームとともに活動し、7月12日と17日に予定されているU-24ホンジュラス代表、U-24スペイン代表との国際親善試合には出場可能。さらに、本大会が終了するまでチームに同行し、大会中に負傷者が出た場合はバックアップメンバーから追加登録が可能なのだ。
それゆえ、この22人が東京五輪代表チームと考えるべきだろう。
複数ポジションをこなせる中山、旗手、板倉、橋岡
それでは各ポジションを見ていこう。
GKでは19年からこのチームの守護神を務めてきた大迫敬介と、20年シーズンに湘南ベルマーレでポジションを掴み、急成長を遂げた谷晃生が選ばれた。
6月シリーズのジャマイカA代表戦ではポテンシャルを秘めた18歳の鈴木彩艶が後半の45分間に起用されたが、最終的には現時点での実力やこのチームにおける実績、Jリーグでの経験が重視された。
ディフェンスラインでは、オーバーエイジの吉田と酒井に加え、負傷のために6月シリーズを途中離脱した冨安健洋が選ばれたのはひと安心だ。
左サイドバックには、このチームで長らくボランチを務めてきた中山雄太が入るだろう。
中山の左サイドバック起用はこのチームではU-24ガーナ代表戦しか試していないが、昨年10月のA代表のコートジボワール戦でもテスト済み。もちろん、U-24ホンジュラス代表戦、U-24スペイン代表戦でも連係が図られるに違いない。
中山は3バックの左やボランチもこなせるため、4-2-3-1から3-4-2-1、4-3-3への移行もスムーズにできそうだ。
旗手怜央は左サイドバックと2列目をこなせる器用さが武器。旗手が左サイドバックとして起用された場合は、攻撃的なシフトと言っていい。田中碧、三笘薫との"川崎フロンターレトライアングル"も期待できる。
旗手が2列目に入る場合は、右利きのアタッカーとして貴重な存在となる。レフティの堂安、久保、三好とはプレーのリズムが異なり、相手を困惑させること請け合いだ。
板倉滉はセンターバックとボランチで、橋岡大樹は右サイドバックとセンターバックでプレーできる。とりわけA代表のキャップ数5を数える板倉は、オーバーエイジの参戦によってサブに回る可能性が高いが、レギュラー陣と遜色ない実力の持ち主と言える。