酒の肴に野球の記録BACK NUMBER

最終回を無失点リリーフ→引き分けても「ホールド、セーブもなし」 クローザーを称える成績がないのは、少しかわいそう【9回打ち切り】 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

PROFILE

photograph byKyodo News

posted2021/06/07 17:02

最終回を無失点リリーフ→引き分けても「ホールド、セーブもなし」 クローザーを称える成績がないのは、少しかわいそう【9回打ち切り】<Number Web> photograph by Kyodo News

楽天の松井裕樹は17Sにとどまらず、ここまで7回もチームを引き分けに導いている。ではセ・リーグで最も多いのは誰?

パの1位は松井裕樹、では2位以下は?

<パ・リーグ>※6日時点の成績
松井裕樹(楽)
7KD(30登0勝1敗 17S 0H 30回 率0.60)
益田直也(ロ)
6KD(27登0勝4敗 14S 0H 24.1回 率2.59)
モイネロ(ソ)
4KD(20登0勝0敗 5S 6H 20回 率0.45)
ギャレット(西)
4KD(25登0勝2敗 2S 8H 23.1回 率4.24)
杉浦稔大(日)
3KD(19登0勝1敗 11S 0H 18.2回 率3.86)
森唯斗(ソ)
2KD(13登1勝0敗 8S 0H 13回 率1.38)
増田達至(西)
2KD(15登0勝2敗 8S 0H 13.1回 率6.75)
平良海馬(西)
2KD(29登1勝0敗 4S 21H 28.2回 率0.00)

 楽天の松井は昨年一時期先発に回り、シーズン中に救援に再転向した。その中で16セーブに加えて7KDとなる。チームの引き分けが「9」だからその大部分で貢献している。またロッテの益田もチーム引き分け「8」のうち6つでKDを記録している。

 一方で西武の平良海馬のように、セットアッパーから途中で転向したり、クローザーとセットアッパーを掛け持ちしているような投手にはあまりKDはついていない。チームメートのギャレットはセットアッパーだが、一時期クローザーに回ったため2セーブ、8ホールドながら4KDを記録している。

広島の栗林は6つの引き分けすべてに貢献している

<セ・リーグ>
栗林良吏(広)
6KD(20登0勝0敗 11S 0H 20.2回 率0.00)
三嶋一輝(De)
6KD(26登1勝3敗 10S 0H 24.2回 率2.19)
石山泰稚(ヤ)
5KD(27登0勝4敗 10S 1H 24.2回 率5.04)
R.マルティネス(中)
4KD (17登0勝1敗 6S 0H 16.2回 率1.08)
中川皓太(巨)
4KD(29登2勝2敗 1S 14H 28回 率2.89)
祖父江大輔(中)
3KD(25登1勝2敗 5S 7H 22回 率3.27)
スアレス(神)
2KD(25登1勝0敗 17S 0H 25回 率0.36)

 ルーキーの栗林は開幕からいきなりクローザーとして起用され、ここまで20試合に投げて自責点0という驚異的な成績を上げているが、11セーブに加えリーグ最多タイの6KDを記録している。広島の6引き分けすべてにかかわっている。

 DeNAの三嶋も6KD。続いてヤクルトの石山が5KDだ。ただし石山は最終回にリードした状況で登板して失点し引き分けにしてしまった試合が2つある。公式記録ではこれも「交代完了」になる。

 阪神は12球団最少の2引き分け、スアレスは2試合ともに関わって2KDだが、セーブ数が栗林より多いのは、チームの引き分けが少ないことが大きい。

【次ページ】 クローザーのタイトル争いに大きく影響も

BACK 1 2 3 4 NEXT
松井裕樹
益田直也
モイネロ
栗林良吏
三嶋一輝
東北楽天ゴールデンイーグルス
広島東洋カープ

プロ野球の前後の記事

ページトップ