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最終回を無失点リリーフ→引き分けても「ホールド、セーブもなし」 クローザーを称える成績がないのは、少しかわいそう【9回打ち切り】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/06/07 17:02

最終回を無失点リリーフ→引き分けても「ホールド、セーブもなし」 クローザーを称える成績がないのは、少しかわいそう【9回打ち切り】<Number Web> photograph by Kyodo News

楽天の松井裕樹は17Sにとどまらず、ここまで7回もチームを引き分けに導いている。ではセ・リーグで最も多いのは誰?

クローザーのタイトル争いに大きく影響も

 もちろんKDは昨年までも記録されていた。しかし昨年までの引き分け試合数を踏まえると、クローザーの評価の上でそれほど大きな影響はなかった。昨年のパの最多セーブ、西武の増田達至(33セーブ)のKDは1、セの阪神スアレス(25セーブ)のKDは2だった。

 しかし今季は、このままいけば最終的に両リーグの“最多KD”は15を上回りそうだ。最多セーブは40前後だろうが、チームの引き分け数がクローザーのタイトル争いに密接に絡んでくるとみられる。

 クローザーというポジションを正当に評価するうえで大いに影響があるといえよう。

「9回引き分け」のルールは今季限りになる可能性が高い。KDがクローズアップされる期間は限定的ではあろうが、例えばセーブ数+KD数を「新セーブポイント」にしては? という考えもよぎる。かつてあった「セーブポイント」のような公式記録にする必要はないにしても、考慮すべきではないのか。

 こまごまとしたルール変更は好ましいとは思わないが、厳しい状況で頑張っているクローザーの努力に報いるためにも何らかの措置が必要があってほしいと願うばかりだ。

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