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最終回を無失点リリーフ→引き分けても「ホールド、セーブもなし」 クローザーを称える成績がないのは、少しかわいそう【9回打ち切り】
posted2021/06/07 17:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
今季は特別ルールでNPB公式戦、交流戦ともに「9回引き分け」になっている。延長戦がないので、各チームの引き分けは激増している。これがペナントレースにも、選手の個人成績にも大きな影響を与えている。
NPBのペナントレースは「勝率」で優劣をつける。勝敗いずれにも含まれない「引き分け」は、特に競り合いになると勝ちに等しい意味がでてくる。
今季の引き分けは、6月4日時点では両リーグ計341試合で45試合、率にして13.2%、延長10回引き分けだった2020年は720試合で40試合、5.6%、延長12回だった2019年は858試合で22試合、2.6%だからまさに激増している。
今季に限って、ペナントレースは「引き分け」がカギを握ると言っても過言ではないだろう。
同点の最終回にクローザーというケースが多い
チーム成績だけでなく、個人成績、特に投手成績にも影響が出ているが、とりわけ大きいのがクローザーだ。
クローザーは試合の最後に登板して、味方のリードをキープしたまま締めくくる重要な役割を担う投手だ。いろいろなルールがあるが、基本的には3点差以内のリードで登板してリードをキープすれば「セーブ」がつく。
しかしながら引き分けが激増した今季は、クローザーが最終回、同点でマウンドに上がることが増えている。
延長戦があった昨年までは、9回同点の場面ではセットアッパーがマウンドに上がるケースもあった。
セットアッパーが同点のままキープして延長戦につなげれば「ホールド」がつく(MLBのルールではつかない)。しかし延長戦がない状況で、クローザーが登板して無失点で抑えて試合を締めくくっても、セーブもホールドもつかないのだ。