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「サッカー代理人ビジネスは儲かる?」“菅原由勢12億円移籍”を実現させた日本人代理人に聞くウラ側「1年間の半分は出張、車の走行距離は7万km(笑)」

posted2025/02/02 11:10

 
「サッカー代理人ビジネスは儲かる?」“菅原由勢12億円移籍”を実現させた日本人代理人に聞くウラ側「1年間の半分は出張、車の走行距離は7万km(笑)」<Number Web>

昨年7月、サウサンプトンに移籍した菅原由勢。移籍金は700万ユーロ(約12億円)と報じられた。写真左が代理人の龍後昌弥(32歳)

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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巨額の移籍金が飛び交う欧州サッカー市場。そのカギを握るのが代理人だ。じつはヨーロッパ現地に在住する日本人代理人はほぼいない。そのうちの1人、龍後昌弥(32歳)がNumberWebのインタビューに応じた。昨夏、菅原由勢の“12億円移籍”を実現させた代理人の実態とは。【全2回の後編/前編も公開中】

◆◆◆

「12億円の移籍」を手掛けた

 今、サッカー界で最も資金が集まるのはイングランドのプレミアリーグである。

 ドイツ大手代理人事務所「Sports360」に勤務する龍後昌弥(32歳)が手がけた最大の案件もプレミアリーグに関するものだ。

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 2024年7月、菅原由勢がオランダ1部のAZからプレミアリーグのサウサンプトンへ加入。移籍金は700万ユーロ(約12億円)と報じられた。龍後は移籍に向けて選手がどんなインタビューを受けるべきかといったメディアアレンジから、交渉まであらゆるプロセスに携わった。

「菅原選手の移籍では個人合意してからクラブ間合意するまで約4日間あり、その間、菅原選手と一緒にサウサンプトンに滞在していたんですね。ジムで汗を流したり、散歩したりしていたんですが、サウサンプトンのスタジアムまで行ったときに『ついに自分もここまで来たか』と胸が熱くなったのを覚えています。僕は日本とイングランドの大学で学位を取得しており、いつかサッカーの仕事でイングランドのスタジアムに戻ってきたいと思っていたんです」

「あくまで会社勤めですから(笑)」

 龍後が「Sports360」に入社したのは2023年5月。約1年で大きな成果をあげることに成功した。ヨーロッパを舞台にすると、やはり金銭面でもより夢が広がるのだろうか。

「代理人として儲かっている? いえいえ、あくまで会社勤めですから(笑)。今はお金よりもネットワークを広げて、ヨーロッパクラブの関係者と信頼関係を築く方が大事。選手とクラブのためにきちんとした仕事をしていれば、後からついてくると考えています」

 龍後が「Sports360」に入社して以降、同社は日本人選手のクライアントを増やし続けている。菅原、瀬古歩夢(グラスホッパー、スイス1部)、藤井陽也(コルトレイク、ベルギー1部)、塩貝健人(NECナイメヘン、オランダ1部)。選手にとってドイツ・ケルンに本社を構え、欧州各地にオフィスがあるのは心強く、これからもさらに増えていきそうだ。

 ただし、龍後は「Sports360」のフォルカー・シュトルト会長から次のように言われている。

【次ページ】 「1年間で車の走行距離は7万km」

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