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「マリーゴールドへ来て本当によかった」プロレス引退も考えた挫折を越えて…“王者になった貴婦人”桜井麻衣の野望「いつかジュリアと再戦を」

posted2025/02/02 17:02

 
「マリーゴールドへ来て本当によかった」プロレス引退も考えた挫折を越えて…“王者になった貴婦人”桜井麻衣の野望「いつかジュリアと再戦を」<Number Web> photograph by Essei Hara

マリーゴールドの“白いベルトの王者”桜井麻衣。「大きいこと言っていいですか」とさらなる野望を口にした

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 桜井麻衣が手にしたユナイテッド・ナショナル(UN)王者のベルトにはマリーゴールドの花があしらわれているが、ネーミングの由来は、ロッシー小川が好きだったアントニオ猪木だ。日本プロレス時代、猪木はジャイアント馬場の持つインターナショナル王座への挑戦が許されずに、その代わりとしてアメリカでユナイテッド・ナショナル選手権を獲得して日本に持ち帰った。そんな猪木のじれったさや悔しさ、トップを追う者のある種の怨念まで含めて、小川が似たデザインのベルトを作ったという経緯がある。

「それは知りませんでした。UNのベルトを初めて見た時に、何も知らず、スターバックスのマークみたいって失礼なこと言っちゃいました(笑)。防衛戦の相手として戦いたい選手……このベルトをより輝かせたいので、自分より実績やキャリアのある強い選手と戦いたいですね」

蝶野正洋と小川直也から授かった“得意技”

 この日、桜井を撮影した銀座は貴婦人らしいスポットだ。

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「銀座は子供の頃から、親との買い物や食事に連れていかれることが多かったです。昔から家族で行っている大好きな串揚げ屋さんがあるんですよね。休みの日は必ず外出しています。すごくアクティブ。プライベートなんて後回し。ジム行ったり、シュートボクシングジムでひたすら蹴ってスタミナつけたり、柔術習いに行ったり、体のメンテナンスをしたり……。休みも仕事のために費やしています。この半年間、プロレスのことだけ考えて生きてきたなって感じです」

 桜井はSTFやSTOといった大物の得意技を使う。STFは桜井が使うと頭文字を変換して「庶民のためのフェイスロック」となるが、蝶野正洋からタッグのトーメメントの前に直接教えてもらったものだ。STOは夏の両国大会の前に小川直也の道場で授かった。

「柔道にハマりました。別の道場を紹介してもらったのですが、アップだけでもかなりキツいんですよ。全国レベル、オリンピックに行くような人が来ている所なので厳しいんです。これをうちの練習でも取り入れたらいいなと思う。遊びの時間でも、隙間にプロレスのこと考えちゃうのがクセになっちゃいました。大切にしているのは、初めて観に来て下さったお客さんにも、『プロレスってすごい、面白いじゃん』と思ってもらうこと。初めて観に来てくれた方が『なんじゃこりゃ』となるのは嫌なんです」

【次ページ】 「ジュリアがいなくなったら辞めちゃうんじゃないか」

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