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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「なぜ日本人の天才19歳はJリーグを断ったのか」慶応大生がオランダ1部で“いきなり年俸4500万円”の衝撃…日本人代理人が明かす「J関係者から“荒らされた”の声も」
posted2025/02/02 11:09

オランダ1部・NECナイメヘンに所属する塩貝健人(19歳)。慶應大から異例のステップアップした裏側を代理人が明かす
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木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
AFLO
巨額の移籍金が飛び交う欧州サッカー市場。そのカギを握るのが代理人だ。じつはヨーロッパ現地に在住する日本人代理人はほぼいない。そのうちの1人、龍後昌弥(32歳)がNumberWebのインタビューに応じた。昨夏、Jリーグ関係者を驚かせた“異例の移籍”の舞台裏を明かす。【全2回の前編/後編も公開中】
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世界中から才能が集まる場所で勝負したい。そう考えるのは選手だけではない。ビジネスサイドでもヨーロッパを拠点に活動をする日本人がいる。
代理人の龍後昌弥(32歳)もそのひとりだ。トニ・クロース(元レアル・マドリー)やユリアン・ナーゲルスマン(ドイツ代表監督)が所属するドイツ大手代理人事務所「Sports360」に勤務し、ケルンに居を構えて菅原由勢(サウサンプトン)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、藤井陽也(コルトレイク)らをサポートしている。
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すでに地の利を生かし、新しいタイプの移籍が実現している。
2024年8月、塩貝健人(当時19歳)のオランダ1部NECナイメヘンへの移籍が発表された。当時、塩貝は慶應大学の2年生。カテゴリーとしては関東大学リーグ2部の選手にすぎなかったため大きな話題になった(1年生のときは関東大学リーグ3部)。
「“わずか2時間”でオファーが届いた」
この移籍を仲介したのが龍後だったのである。32歳の気鋭の代理人はこう振り返る。
「塩貝選手はU19日本代表として出場した2024年6月のモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)でイタリアからハットトリックをして得点王になり、すでにヨーロッパのトップクラブから注目されていたんですが、大学卒業まで日本に留まると思われていたんですね。横浜F・マリノスの特別指定選手になったことで、さらにその見方が強まったと思います」