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「膝が、耐え抜いてくれた」中田久美監督も期待する“サウスポー”長岡望悠が日本代表に戻ってきた理由…二度の靭帯断裂、イタリアで得た刺激
posted2021/05/05 17:01
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Takahisa Hirano
東京五輪の会場となる有明アリーナが、長岡望悠(久光スプリングス)の代表復帰の舞台となった。
五輪のテスト大会を兼ねて5月1日に行われた中国とのバレーボール国際親善試合は、女子日本代表にとって約1年7カ月ぶりの国際試合。世界ランキング1位の中国にセットカウント0-3で敗れたが、試合後、日本代表の中田久美監督が「今日の試合で一番の収穫」と語ったのが、長岡だった。
2016年リオデジャネイロ五輪で日本チームの最多得点を挙げたオポジットは、2017年3月に左膝前十字靭帯断裂の大怪我を負い、復帰後まもない18年12月に、イタリア・セリエAの試合中に再び同じ部位を損傷。2年近くに及ぶ長いリハビリの末、昨年10月にVリーグに復帰していた。代表では昨夏の紅白戦に短時間出場したが、国際試合の出場は18年10月の世界選手権以来、約2年半ぶりだ。
1、2セット目は2枚替えで出場し、スパイク、ブロックで得点。第3セットはスタートから入り、トータルで古賀紗理那(NECレッドロケッツ)の17得点に次ぐ10得点を挙げた。
「サウスポーが1枚いるというのは、非常に戦力的に有効だなと感じた」と中田監督は言う。
長岡の特徴は、サウスポーを活かしたライトからの速い攻撃。直接得点を奪うことはもちろん、速いテンポで決定力のある長岡がライトにいることで、相手ブロックが引き寄せられ、レフトからの攻撃が楽になる効果もある。
「膝が、耐え抜いてくれた」
試合後、記者会見に臨んだ長岡は、アイシングを施した左膝をいたわるように言った。