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なぜ“いま”決断したのか? ザーゴ解任でOB相馬直樹が就任…監督交代に見る「2つの“鹿島らしさ”」とは 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byGetty Images/KASHIMA ANTLERS

posted2021/04/17 06:00

なぜ“いま”決断したのか? ザーゴ解任でOB相馬直樹が就任…監督交代に見る「2つの“鹿島らしさ”」とは<Number Web> photograph by Getty Images/KASHIMA ANTLERS

鹿島アントラーズのザーゴ監督が解任され、新監督にコーチでもあったクラブOBの相馬直樹が就任する

「もう一度、強い……そうですね。強いアントラーズを取り戻す。クラブが前へ進んでいくためにも、非常に重い責任だと思っていますけれど。自分が大事に思っているこの鹿島を前へ進めるために力になれればと思っています。すみません。全然整理できなくて」

 そして、「強いアントラーズとは?」と問われる。

「その言葉が、ひとり歩きしてしまうのもよくないと思っています。『ジーコスピリット、誠実、尊重、堅実』。順番に自信がありませんが(笑)。これだけじゃないけれど、ここなんじゃないかと。どちらかと言えば、(鹿島は)ものすごく派手に強いというよりは、地味に強いという感じになると思います。もちろん、良い選手、良いスタッフが揃っているけれど、みんながみんな揃って、謙虚に足元をしっかり見てやっている、そういう強さだったと思っています。

 鹿島は『常勝』と言ってもらえるけれど、常に勝てるわけじゃないし、今の成績もあります。遡れば、92年ナビスコカップ決勝進出や93年のファーストステージ優勝は、それまで誰も想像していなかったことでした。だからこそ、いろんな意味で、ずっとチャレンジャーだったし、今もしっかり足元を見ながら、謙虚に、一番後ろから上がっていくという『チャレンジャー』という気持ちが大事だと思う」

相馬監督の言葉に見る「“鹿島らしさ”とは何か?」

 相馬監督の言葉に、30年前の熱がよみがえる。日本リーグ2部に所属していた住金サッカー部がJリーグ入りできること自体が奇跡だったのかもしれない。そこからクラブの歴史はスタートした。そこからはじまった過去の実績にあぐらをかくのではなく、謙虚に実直に進むべきなのだ。

「サッカーの戦術がどんどん進化するなかでも、変わらず大事にしなくちゃいけないものがたくさんあると思っています。そのひとつがサッカーや勝負の本質をどれくらい選手たちやチームで共有できるか。そこをきちんと持たないと、それ以外のものをくっつけても、役に立たない。それが揃ったうえで、いろんな新しいことを付け足すようなことがあったりすると思います。でも、(戦術などについて)話しすぎると自分がやることを狭めてしまいそうなので、あまり話さないほうがいいと思っています」

【次ページ】 鹿島アントラーズらしい決断だった

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