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18歳の松井秀喜「落としたことを後悔させてやりますよ」…二軍落ち、秋広優人18歳も“圧倒的な数字”を残せるか
posted2021/03/19 17:03
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
巨人の話題の高卒ルーキー・秋広優人内野手が、ついに二軍に落ちた。
3月18日の中日戦までのオープン戦の成績は25打数5安打の打率2割で三振は13。直近6試合は13打数1安打で8三振と、プロの壁、一軍の壁にぶち当たっていたのは誰の目にも明らかだった。
「才能だけでどこまでプロの世界で通用するのか楽しみ」
キャンプで一軍に抜擢し、オープン戦でもほぼ全戦で先発起用するなどして、こう秋広を評価していたのは原辰徳監督だ。もちろんそこにはあえて一軍に置くことで、この才能の天井を高くしたいという教育的な配慮もあった。しかしその一方で、一軍は競争の世界である。ここで一度、その競争の枠から外して、じっくりと二軍の育成の世界へと送り込むことを決断したということだろう。
松井秀喜が吐いた“捨て台詞”
これで巨人の高卒野手では1959年の王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)以来、62年ぶりの開幕スタメンはもちろん、開幕ベンチ入りも事実上、消滅したことになる。
しかしだからといって秋広の持つポテンシャル、可能性が消えて無くなってしまったわけではないのはいうまでもない。これからさらに大きく育つためには、むしろここからが勝負となることは、ある偉大な先輩の姿が証明してくれているだろう。
「落としたことを後悔させてやりますよ」
1993年。星稜高校から鳴り物入りで巨人に入団した松井秀喜さんも、開幕3日前に二軍降格を命じられている。
当時の須藤豊ヘッドコーチから二軍落ちを通告された松井さんは、報道陣に取り囲まれるとこんな“捨て台詞”を吐いている。