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18歳の松井秀喜「落としたことを後悔させてやりますよ」…二軍落ち、秋広優人18歳も“圧倒的な数字”を残せるか
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/19 17:03
17日の中日戦、横っ飛びで一、二塁間の当たりを好捕した秋広。2m2cmの長身ながら守備でも俊敏な動きを見せる
松井さんはその言葉通りにファーム落ちした直後から、すぐさま圧倒的な数字を示して一軍への資格を得た。
そこに秋広も挑むことになる。
「オレは秋広も打つと思うよ」
こう語るのは松井さんが入団した時の打撃コーチでもある元DeNA監督の中畑清さんだった。
「秋広はね、バットが振れるんだよ。あれだけ三振しても、それでもバットを振れる。これはなかなかのものだと思うよ」
松井の1年目と非常によく似ている
中畑さんはその点が松井さんの1年目と非常によく似ているという。
松井さんも三振をしまくったが、それでもボールに食いついてバットを振り続けた。
実は秋広も三振をしても三振をしても、とにかくバットを振り続けている。13個の三振のうち空振りが10個。見逃し三振はわずかに3個しかないのだ。
普通ならば空振りすることを怖がって、段々とスイングが小さくなったり、バットが出なくなってくる。しかし松井さんがそうだったように、秋広は空振りすることを恐れずにバットを振り続けた結果が、この空振り三振の数なのである。
「一軍では低めのいいところに落ちる球が、二軍ではもっと高めに甘く入るケースが増える。そこが一軍と二軍の差なんだけど、まずその甘い球を打つことが、もっと厳しいコースの攻略につながっていく」
中畑さんの見立てだ。
「空振りを恐れずにバットを振ることがまず大事」
「秋広はあのスイングなら、高目に少し甘く入った落ちるボールなら打てると思う。そのためにも空振りを恐れずにバットを振ることがまず大事なんだよ。それが秋広はできる。そこがバッターとして大事なところなんだよ」
中畑さんは言う。