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巨人2mルーキー秋広優人“高卒1年目で一軍”のカギは? 松井・筒香はできず、清原・坂本はできたこと【ノムさんも指摘】
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/12 17:03
3月6日の日本ハム戦でオープン戦初ヒットを放った巨人・秋広
「変化球の打ち方は選手の持って生まれた感覚。変化球を打つための方法論は教えられても、最後に打てるかどうかは本人のセンス。教えても教えられるものではないです。だからそのセンスを持ち合わせていない選手は、変化球をしっかり打てるようになるまで時間がかかる。そのセンスがある打者は高卒でも1年、2年で結果を残せる」
松井秀喜が腰を抜かした石井一久のカーブ
巨人でプロデビューした元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんは、プロ1年目のオープン戦で現役時代(当時ヤクルト)の楽天・石井一久監督のカーブに「当たるんじゃないか!」と腰を抜かしたという。タンパベイ・レイズの筒香嘉智外野手もDeNAに入った1年目のオープン戦でソフトバンク時代の杉内俊哉投手のスライダーが「消えたと思った」と“プロの恐ろしさ”を語っている。
一方、そんなプロの変化球をものともせずに、最初から対応できたのは西武でデビューした当時の清原和博内野手であり、実は巨人の坂本勇人内野手もそうだった。
清原さんといえば相手エースとは真っ向勝負で、そのストレートを打ち砕いてきたイメージがあるが、実はカーブ打ちの名手だったことはあまり知られていない。
「入団した最初から、肩が開かずに一呼吸ためてボールを呼び込んでしばける。そのタイミングが天性のものだった」
こう語っていたのは清原の恩師でもある元西武打撃コーチの土井正博さんだった。
坂本は「軸を残してついていける」
「勇人のバッティングは実戦力がある。変化球に自分の型を崩されても、軸を残してついていける」
これは2年目の坂本を評した巨人・原辰徳監督の当時の言葉である。