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巨人2mルーキー秋広優人“高卒1年目で一軍”のカギは? 松井・筒香はできず、清原・坂本はできたこと【ノムさんも指摘】
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/12 17:03
3月6日の日本ハム戦でオープン戦初ヒットを放った巨人・秋広
宮崎キャンプ中に球団が公表した打球測定器「ラプソード」のデータ。秋広の打球速度は最速166kmを記録し、コンスタントに150km台をマークした。
通常は150kmを越えれば長打が出やすいと言われており、打球速度では高卒1年目ながら4番の岡本和真内野手に次ぐレベルを叩き出しているのだ。
原監督「長いリーチを器用に扱えることが彼の特長」
「体も大きくて手足も長い。打球速度の速さはその利点を十分に発揮している部分だけど、何よりその長いリーチを器用に扱えることが彼の特長。普通ならあれだけ手が長いとインコースのさばきが難しくなるのに、うまく腕を畳んで対応できている」
実戦を積み重ねていく中での、原監督の評価である。
ただもちろんこのまま一直線で開幕一軍、開幕スタメンなどと夢のようなレールが敷かれているほどプロの世界が甘くないのも事実。試合を消化していくことで、徐々に課題も見えてきている。
一番は変化球への対応だ。
3日のヤクルト戦では第1打席ではスコット・マクガフ投手のカットボール、スプリットに全くタイミングが合わずに最後は148kmの真っ直ぐを空振り三振。第2打席でも原樹理投手の変化球攻めの前に空振り三振で、最後の第3打席は変化球を意識したためか、今野龍太投手に真っ直ぐを3球続けられてバットが出ずに見逃し三振に倒れた。
ノムさんが見ていたポイントとは?
そこで思い出すのが高卒1、2年目で頭角を現す打者の特長を聞いたときの、元ヤクルト監督の野村克也さんのこんな答えだった。
「変化球を打てるかどうかやな」
そこが高卒打者の1つの分岐点だという。