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開幕2連敗…“問題は攻撃” 遠藤保仁がチームに要求してきた「動いて動かすスタイル」はいつ確立するのか?

posted2021/03/08 17:00

 
開幕2連敗…“問題は攻撃” 遠藤保仁がチームに要求してきた「動いて動かすスタイル」はいつ確立するのか?<Number Web> photograph by J.LEAGUE

開幕戦の琉球戦は、開始1分に失点した後、20本ものシュートを放ったが、1点も取れずに敗れた

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 J2リーグ開幕2連敗――。

 まだ始まったばかりで深刻ではないが、不安が募る。

ミスからの失点…町田の攻守の迫力ばかりが目立った

「試合の入りがよくなかった」

 小川大貴がそう語ったように、開始早々、ジュビロ磐田はFC町田ゼルビアに試合の主導権を握られた。

 磐田は相手の前からの強烈なプレッシングに苦しみ、前につなぐことができず、苦し紛れのバックパスが増えた。失点はその延長線上にあった。押し込まれ、慌てていたGKがバックパスをダイレクトで前に出したところを奪われて失点した。焦る必要がないシーンだったが、相手の早いプレスのせいか冷静さを失い、ミスから生じた失点だった。

 その後、徐々に落ち着きを取り戻し、前半30分、カウンターから松本昌也のゴールで同点に追いついた。しかし、そのわずか2分後に突き放される。「さぁこれから」という時の失点で勢いを削がれ、最終的に3失点での敗戦。試合後、磐田のホームのスタジアムがなんともいえない静けさに包まれたが、町田の攻守の迫力ばかりが目立った試合だった。

「ボールへのアプローチが甘かった」

 試合後、鈴木政一監督は3失点した守備について、そう語った。

 ただ、球際の厳しさやトランジションは、これからの練習で徹底すればわりとすぐに修正が効く。試合の入りから集中し、守備に対する意識を全員がしっかりと共有すれば失点を防げるだろうし、アグレッシブな守備が戻ってくるはずだ。

遠藤「自分が攻撃のスイッチにならないと」

 問題なのは、攻撃だろう。

 開幕戦の琉球戦は、開始1分に失点した後、20本ものシュートを放ったが、1点も取れずに敗れた。遠藤保仁は「決める時に決めないとこうなる」と、決定力について案じたが、フィニッシュはそもそも個々の意識や技術の問題でもある。町田戦を見る限り、決定力だけが問題ではなく、攻撃そのもの、磐田のスタイルに関わるところが大きい。

【次ページ】 自分たちが動き出して、相手を動かす

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