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開幕2連敗…“問題は攻撃” 遠藤保仁がチームに要求してきた「動いて動かすスタイル」はいつ確立するのか?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/03/08 17:00
開幕戦の琉球戦は、開始1分に失点した後、20本ものシュートを放ったが、1点も取れずに敗れた
また、個人戦術の引き出しの少なさも垣間見えた。前から激しくプレッシングしてくる町田に対して、つなぐ意識そのままにプレーしていても相手の思うつぼだ。そういう時、ロングボールを使い、自陣のラインを押し上げて戦うなど、個々がそうした状況判断をし、工夫して戦うことは必要なことだろう。
昇格に向けて「スタートが重要」
「勝ち点とか考えない。最後に2位内にいればいい」
遠藤は、今シーズンの目標をそう語った。
ただ、甘くないことも理解している。2012年、ガンバ大阪がJ2に降格した時、遠藤は「序盤の負けがあまりにも大きかった」と語った。優勝争いができるチームだったが序盤の躓きが響き、低迷した。昇格に関わるレースを走るチームにとってスタートが重要なのは間違いない。また、連敗したことで不安が生じ、次は負けられないというプレッシャーもかかってくるだろう。
磐田は、遠藤を残留させ、つなぐサッカーの継続をクラブの方向性として定めた。それが次のステージ(J1)で戦うために必要なことでもある。
結果はもちろん大事だが、スタイルの浸透、成熟には時間も要する。まだ2試合、ブレては何も残らない。
まずは守備を修正し、結果とスタイル確立の二兎を追い続けてほしい。