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リーチマイケルも「やっとフェアな状態で戦える」 2023W杯“試合間隔変更”で最も恩恵を受けたのは日本? 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNaoya Sanuki

posted2021/03/03 17:00

リーチマイケルも「やっとフェアな状態で戦える」 2023W杯“試合間隔変更”で最も恩恵を受けたのは日本?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

2023年ラグビーW杯フランス大会の日程発表を受け、「いろいろなチームに勝つチャンスが出てくる」とポジティブなコメントを残したリーチマイケル

最大の強敵イングランドは2戦目

 19年、日本大会での日本代表は、開幕戦ではプール内で最も世界ランク下位のロシアと対戦し、2戦目で最上位の(大会開幕時点の世界ランクは1位だった!)アイルランドに挑戦。3戦目はオセアニアと欧州のプレーオフを勝ち上がったサモアと戦い、最後に決勝トーナメント進出をかけてスコットランドと対戦している。

 23年フランス大会で初戦の相手と決まった「米大陸予選第2代表」はウルグアイかカナダが有力と見られる。ウルグアイは19年日本大会の初戦、釜石鵜住居復興スタジアムで強敵フィジーを破るアップセットを演じた。カナダは近年15人制では不振が続いているが、W杯では07年、11年と2大会連続で日本とドローを演じたかつての好敵手。どちらも世界ランクは低くても、体を張ったひたむきなプレーが持ち味だ。

 続く2戦目はイングランドが相手。ご存じ日本代表の前HCであるエディー・ジョーンズが率いる北半球最強チーム。前回W杯では準決勝でオールブラックスに完勝。決勝では南アフリカに敗れたが、20年シックスネーションズで優勝を飾っている。19年日本大会を戦ったLOマロ・イトジェら主力の多くは20代半ば。23年大会では経験値を高めてくる。有力な優勝候補であり、このプール最大の強敵だろう。

 3戦目の相手は「オセアニア予選勝者」。フィジーは19年大会プール3位(ジョージア、ウルグアイと1勝3敗で並んだが勝ち点で他の2カ国を上回った)でシードされており、サモアあるいはトンガが来ることになるだろう。サモアなら15年イングランド大会から3大会連続(それもすべてプール3戦目)の、トンガなら11年NZ大会以来3大会ぶりの対戦となる。「アイランダー」と総称される南太平洋の国々は驚異的な走力、フィジカルの強さを持ち、オールブラックスやワラビーズにも多くの選手を送り出している。言うまでもなく侮れない相手だ。

鮮烈な光を放つアルゼンチン

 そして最後の4戦目はアルゼンチン。07年大会で3位、15年大会では4位という世界屈指の強豪だ。19年日本大会では初戦でフランスに惜しくも競り負け、勝負のイングランド戦では序盤に退場者を出してしまい完敗。03年大会以来のプール戦敗退に終わったが、20年はトライネーションズでオールブラックスから初勝利を奪い、オーストラリアとはアウェーで2戦2分。どの国も十分な準備ができなかった状況下で、鮮烈な光を放った。

 いずれも強敵。予選から上がってくる2カ国はまだ決まっていないが、油断できない力を持つのは間違いない。とはいえ、強敵であるイングランド、アルゼンチンとの連戦を避けられたのは朗報だ。

【次ページ】 アイルランド戦の再現を狙いたいが…

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