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開幕前のJクラブ、コロナ対策をどう進めた? FC東京キャンプは“基本黙食”、部屋割りなども工夫が【写真あり】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byF.C.TOKYO
posted2021/02/22 17:02
コロナ対策を徹底したFC東京キャンプ。東慶悟と青木拓矢もマスク姿で自転車移動した
メディアもPCR陰性証明書が必要、オンライン取材
他方で、チーム作りとは別の問題もあった。ファン・サポーター、そしてメディア対応である。前者に関してはJリーグ全体で話し合い、ファン・サポーターの受け入れはしないことに決めたが、問題は後者だ。
ファン・サポーターが練習を見学できないぶん、メディアを通して情報を発信したいが、メディア関係者が多数、沖縄を訪れるような状況は好ましくない。そこで昨シーズンと同じくオンライン取材をメインとし、在京でも選手や監督の取材ができるようにする一方で、練習試合のあとには、現地で取材をしたメディアだけにオンライン取材の場を設けるなど、工夫をこらした。
広報担当者が語る。
「沖縄にいらっしゃるメディアに対しては、PCR検査の陰性証明書と2週間分の検温データをいただき、取材前に検温と消毒をしてもらっています。テレビの取材は風通しのいいピッチで、ガンマイクを使用して距離を取っていただき、対応しています。オンライン取材の場は定期的に設けていますが、東京から興味を持って取材していただけるのはありがたいです」
最大の問題は外国籍選手の合流かもしれない
こうして見ていくと、コロナ禍における最大の問題は、外国籍選手の合流かもしれない。ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトン、アルトゥール・シルバの4人は来日後、2週間の自主待機をしなければならなかったため、チームに遅れること5日後の1月31日に沖縄入りした。
1月29日に獲得が発表された元ブラジル代表DFブルーノ・ウヴィニにいたっては、新型コロナウイルス感染症に関する新規入国制限措置のため、来日時期に目処が立っていない状況なのだ。
しかし、長谷川監督は「我々は恵まれているほうだと思います」と落ち着いている。
「ブルーノの来日がいつになるかは定かでないですが、在留資格のある4人は1月末にチームに合流できましたし、(2月10日に契約を更新したジョアン・)オマリの合流時期も見えています(※すでに合流)。合流時期が定まらない選手が2人、3人といればチーム作りに影響を及ぼしますが、我々の場合、ブルーノだけですからね。多少出遅れた選手たちも開幕までにしっかり合わせてくるはず。そこは信頼しています」