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ヴェルディの“天国と地獄”を知る38歳が10年ぶり帰還 富澤清太郎「本気で勝負に挑まなければ…」
posted2021/02/21 11:00
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph by
Tetsuro Kaieda
就任3年目を迎える永井秀樹監督の東京ヴェルディに頼もしい柱が加わった。2011年以来、10年ぶりの復帰となった富澤清太郎である。
「いつもオファーを受けたときは悩んだ末に決めるんですが、今回は身体が勝手に反応しましたね」
富澤は言って、口元をほころばせる。
1月23日、オンラインで行われた東京Vの新体制発表会見、新たに加入する選手のなかで最初にマイクを持った富澤はこう話した。
「10年前、僕が移籍したときからヴェルディはずっとJ2を戦っている。そこには責任を感じています。昇格の目標を達成できずに出ていくことになり、自分自身のやってきたことが……何か足りなかったんでしょうね。後輩たちは上の選手の姿勢を見て、それを基準に育っていくわけですから。足りなかった部分を、自分自身が経験してきたことで埋められたらと思います」
永井監督との師弟関係の復活
東京Vを離れてからの富澤は、横浜F・マリノス、ジェフユナイテッド千葉、アルビレックス新潟と渡り歩き、昨季、SC相模原ではキャプテンを務め、J2昇格に貢献した。
東京Vのアカデミーで育った富澤がトップに昇格したのは2001年。永井監督の現役時代、2度目の復帰となったシーズンと重なっている。「プロというものをすべて教えてくれた方。恩人です」と語る富澤にとっては、師弟関係の復活も意味している。
2月5日から14日まで行われた静岡キャンプ。センターバックに入った 富澤は、永井監督の推し進める攻撃的なスタイルに適応しつつ、周囲に落ち着きを与えるプレーを見せた。
相手の攻撃をはね返す強さを持ち、常に反転攻勢を念頭に置いて、オフェンスの能力も兼ね備えるのが特長である。