話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
なぜ「4-3-3」で戦い切らなかったのか?…川崎戦で見えた「ガンバが優勝するためにやるべき」1つのこと
posted2021/02/22 17:03
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
KYODO
ゼロックス杯のガンバ大阪は、川崎フロンターレ相手に、今シーズンのキャンプから取り入れた4-3-3の新システムで挑んだ。
前半の序盤はアグレッシブに前に出て、高い位置でボールを奪って攻撃に転じていたが、10分過ぎぐらいから川崎が落ち着き、ボールを保持されると、全員が自陣に押し込まれ、4-5-1になって守備に追われた。川崎の両サイドの攻撃を封じ込めることができず、三笘薫ひとりに3分間で2失点を喫した。
その後もチャンスを再三作られたが、体を張った守備で耐え凌ぎ、なんとかこの点差でギリギリ踏みとどまっている状態だった。
宮本恒靖監督は、「全体が下がってしまった。相手の背後への押し込みもあったので、(うしろが)重たくなった。1失点後、2失点目まで時間が短く、気落ちした」と語ったが、この状態が後半も続くと、昨年アウェイで5-0で大敗した時のように失点を重ねていく危険性があった。
後半にバランスを整えて反撃に転じると、流れは変わった。
新生ガンバは「タフなチーム」に見えたが……
「真ん中の3枚の距離が良くなると、連動して動けるようになった」
井手口陽介がそう語ったように、同サイドに選手が偏らず、バランスよく、距離を整えていくと、相手の動きが落ちたのも相まって一気に流れがガンバに傾いた。アンカーの山本悠樹と井手口、倉田秋のトライアングルの機能性が増したのだ。