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開幕前のJクラブ、コロナ対策をどう進めた? FC東京キャンプは“基本黙食”、部屋割りなども工夫が【写真あり】 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byF.C.TOKYO

posted2021/02/22 17:02

開幕前のJクラブ、コロナ対策をどう進めた? FC東京キャンプは“基本黙食”、部屋割りなども工夫が【写真あり】<Number Web> photograph by F.C.TOKYO

コロナ対策を徹底したFC東京キャンプ。東慶悟と青木拓矢もマスク姿で自転車移動した

「強化部とは事前に、今回のキャンプをどうやって進めるか、かなり話し合いました。その議題のひとつが、部屋割でした」

 こう明かすのは、チームを率いる長谷川健太監督である。

ふたり部屋を選択した上での“工夫”とは

 完全にひとり部屋にしたチームもあるが、FC東京の場合、最終的にふたり部屋を選択した。Jリーグの定めるプロトコルではひとり部屋を奨励しているものの、広い部屋で、陰性証明書を持った者同士であれば、ふたり部屋も認められている。

「完全にひとり部屋で3週間近くのキャンプを張るのは、予算的にも厳しい。そこで広い部屋をふたりで使おうと。これまでは3~4人部屋で、サッカーの話をさせるために、ベテランと若手を混ぜたり、ポジションが近い者同士にしたりしていた。でも、今回は普段から仲の良い者同士にしました。同部屋にすることで、部屋の行き来をなくそうという意図です」

一般客との接触がないようにフロア丸ごと予約

 コロナ対策は細部まで行き渡っている。一般客との接触がないようにフロアをまるごと予約し、これまでホテルの会議室で開いていたチームミーティングは、練習場の換気の良い場所で行ない、クラスターが発生しないように気遣った。

 一方で、可能な限り従来の形を維持したものもある。そのひとつが入浴だ。ホテルの協力もあって、大浴場を1時間だけ貸し切り、湯船にゆっくり浸かって疲れを取ることができた。

長谷川監督、東が語るACLでの経験の大きさ

 コロナ禍にキャンプを張るにあたり、FC東京にとって大きかったのが、昨年11~12月にカタールのドーハで集中開催されたAFCチャンピオンズリーグに参戦した経験である。

 この大会ではチームと外部との接触を完全に断つ「バブル」という措置が取られた。「バブル」とは、関係者全員を大きな泡に包むように隔離することから生まれた表現だ。

「あのときは完全に外出禁止で、ホテル、練習場、スタジアムを行き来するだけの『バブル』を3週間くらい経験しましたから。食事会場での振る舞い方、ホテルでの過ごし方などの知識があったのは大きいと思います」

 長谷川監督がこう説明すれば、東も補足する。

「昨シーズンから経験しているので慣れました。強いて言うなら、東京に戻っても緊急事態宣言中で、不要不急の外出や外食を控えないといけないので、決起集会ができないことが残念。こういう会を開くと、新加入選手たちが溶け込みやすいんです。できないぶん、キャプテンの自分がうまくまとめていきたい」

【次ページ】 メディアもPCR陰性証明書が必要、オンライン取材

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