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“IOCの収益源” アメリカが完全に「脈アリ」状態…東京五輪、開催可能性が高い3つの理由【英国からの視点】 

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長谷部良太

長谷部良太Ryota Hasebe

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posted2021/01/31 06:02

“IOCの収益源” アメリカが完全に「脈アリ」状態…東京五輪、開催可能性が高い3つの理由【英国からの視点】<Number Web> photograph by Getty Images

IOCバッハ会長と東京五輪組織委員会・森喜朗会長

「レストランに行けるのか、友人や家族に会えるのか分からないような状況の中、五輪開催について懸念し、イメージができないのは、1人の人間として理解できる」

 しかし、と続けた。

「政府やIOCの責任は、視野を広げて見ることだ。五輪をやるかどうかではなく、どのように開催するかと言える正当な理由が多くある。今でも3000人規模の大会が行われ、専門家からの助言、ワクチン、迅速な検査方法がある。スポーツは困難な状況下でも生き続けているし、確固たる根拠に基づいている」

反対の人がこのコメントで翻意しただろうか

 世論調査の通りならば、この記事を読んでいる方の多くは今夏の開催に反対の立場だろう。バッハ会長のコメントを読み、翻意しただろうか。筆者は、そうは思わない。

 その理由は人によってさまざまだろうが、共通するのは新型コロナの収束が見通せない中、大規模な国際大会を実施していいのかという不安だろう。さらには手の内を全て見せない、つまり、大会の中止は選択肢にないと言い切るIOCや大会組織委員会の姿勢に対する違和感や不信感もあるのではないか。

 開催国でありながら、選手の声を代弁すべき日本オリンピック委員会(JOC)の主張が聞こえてこないことも、そうした違和感や不信感に対して見て見ぬ振りをしているように感じる。

真摯な姿勢を期待して、本人に尋ねた

 仮に東京五輪がこの夏に開催された場合、日本の大半の人が反対する中で取材するのは筆者も嫌だ。

 それ以上に、コロナ禍の苦労を乗り越え、必死の思いで代表入りした選手には複雑な気持ちを抱えたまま晴れ舞台に立ってもらいたくない。だから、五輪を主催し、開催する側の立場から、もっと真摯な姿勢で丁寧に説明してもらいたい。

 そういう思いもあり、筆者の順番が回ってきた際、次のように尋ねた。

「IOCや大会組織委は、中止する場合の明確な基準を示すべきではないか。日本の人々の支持を取り戻し、スポーツ界に対して公平であるためにも。どのような状況ならIOCは大会の中止を検討するのか」

 バッハ会長は、間を置くことなく答えた。

【次ページ】 ある競技団体会長いわく「中止はいつでもできる」

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