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エディー・ジョーンズ「そんな事になる気が」ラグビーW杯で日本と“再会” 名将は何を考えている?
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2020/12/18 17:01
2023年ラグビーW杯フランス大会で日本と同じプールDに入ることが決まったイングランド代表。指揮官エディー・ジョーンズはどんな策を打ってくるか?
大きく異なる各国の代表事情
9月8日から10月21日にかけて行われることが発表された23年大会だが、本番へ向けて行う各国の準備スケジュールは、それぞれの国の事情によって大きく異なる。
欧州の強豪国はクラブリーグのプレーオフが初夏にまで及ぶ長いシーズンを終え、選手たちが休養をとった後で大会準備合宿に入る。そのため、準備期間は3カ月程度に制限。クラブのプレーオフ進出の是非によって、選手の代表合宿合流タイミングにばらつきがでることが予想される。
代表選手の多くが自国から遠い欧州でプレーするフィジー、サモア、トンガなども、選手とクラブの契約などの理由で4年に1度しか真のベストメンバーを組むことができないという事情を抱える。
一方、南半球のチームは、通常の年であればラグビー・チャンピオンシップを戦い、代表テストマッチこなしながら準備を進める。代表チームとして試合勘を養い、完成度の高い状態で本番へ挑めるという利点があり、南半球勢のW杯での好成績につながっているという見方もされているのだ(北半球勢の優勝は2003年大会のイングランド代表のみ)。
W杯に代表チームを率いてやってこれるHCは世界にたった20人。ジョーンズHCが言うように、それぞれの事情を抱えながらも3年先を目指した強化が長い道のりであることには異論はない。
エディーさんが言う「W杯チーム」とは?
では、日本はどうか?
大会前に長期の準備合宿を行うことのできる日本代表は、他の参加国にはできない独自の強化スケジュールを組むことができる。過去2大会での日本代表の躍進には様々な要因があるが、大会前に長期合宿を組むことのできる強化スケジュールは、その要因の1つなのかもしれない。
4大会もW杯を経験するジョーンズHCは、これを「W杯チーム」と呼ぶ。大会前の下馬評を覆しての躍進や、毎年行われるテストマッチの戦績を上回る結果を残すチームだ
ここ2大会で言えば、日本代表はまさにそんなチームだ。しかし名将はイングランド、日本とともにプールDに組み込まれたアルゼンチン代表もその1つであると警戒を強めている。