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エディー・ジョーンズ「そんな事になる気が」ラグビーW杯で日本と“再会” 名将は何を考えている?
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2020/12/18 17:01
2023年ラグビーW杯フランス大会で日本と同じプールDに入ることが決まったイングランド代表。指揮官エディー・ジョーンズはどんな策を打ってくるか?
番狂わせを演じたアルゼンチン
ラテンアメリカラグビー界のカリスマとして知られたアウグスティン・ピチョット主将(SH/前ワールドラグビー・バイスプレジデント)を擁した07大会のアルゼンチン代表は、開幕戦と3位決定戦で開催国フランスを倒す番狂わせを演じている。
どの国も他国出身選手の名が入るラグビー界において、アルゼンチン代表は自国出身者で固めるという純血主義を今でも貫き、独自の輝きを放っているのだ。
ちなみにその3位決定戦はピチョット氏にとって現役ラストマッチでもあったため、試合後には号泣しながらファンたちと最後の挨拶を交わしている。その姿は同大会で最も記憶と記録に残るチームとなったのだ。
この大会で世界にその実力を知らしめたアルゼンチンは、12年よりそれまでニュージーランド、オーストラリア、南アフリカで構成されていたリーグに参加することになった。トライネーションズからラグビーチャンピオンシップと改名されたリーグで世界最高峰のチームとの毎年対戦する機会を得ており、今年11月にはニュージーランドに初勝利。30度目の対戦で悲願のアップセットを演じた。
またW杯でも、昨年大会こそイングランドとフランスに敗れて予選リーグ敗退となったが、11年大会ではベスト8、15年大会では4位の戦績を残している。
ジョセフHCにとっても因縁の相手?
実はアルゼンチンは日本にとっても縁が深い。アルゼンチンを率いるマリオ・レデスマHCとジェイミー・ジョセフHCは、業界の同僚としてよく知る仲だ。ジョセフHCが日本代表として出場した1999年大会では、選手として奇しくも同じプールで対戦した経験を持つ(33-12でアルゼンチン代表の勝利)。
21年の歳月を経て、今度は指導者として戦うことになった2人。抽選後のオンライン記者会見でレデスマHCが「ジェイミー、覚えているかい?」とカメラ越しに聞けば、ジョセフHCは「ああ、覚えているよ」と笑顔で答える。ジョーンズHCを含め、終始リラックスした表情で質問に答えていたプールDの指揮官たちは、ひと通り質問に答えた後、「Cheers boys. All the best!」(それじゃあ、またな)と挨拶を交わし、会見を終えた。