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マラドーナVS日本代表 原博実が語る“幼稚園児扱い”「『おいでおいで』って来させてキュッと逆を…」 

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いとうやまね

いとうやまねYamane Ito

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posted2020/12/20 17:03

マラドーナVS日本代表 原博実が語る“幼稚園児扱い”「『おいでおいで』って来させてキュッと逆を…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

1988年8月12日、ゼロックス・スーパーサッカー日本代表vsナポリでフリーキックを蹴るマラドーナ(国立競技場)

メッシを抱きかかえていたのを生で見た

――引退後のマラドーナの思い出はありますか?

 2010年のワールドカップ南アフリカ大会の時。アルゼンチンの代表監督になっていて、ドイツにぼろ負けしましたよね。終わってからメッシを抱きかかえていたのを生で見ました。そういう時ってお父さんみたいで。選手は庇う。選手のせいにはしない。そういうところも愛されるんだろうな。

 今でも若いころのマラドーナがいたら普通にやれるだろうから、メッシとマラドーナが組んだらどうだったんだろうかと。ちょっと見たかったな。2人でどのくらいやっちゃうんだろうって。 

――ボンボネーラ(ボカのホームスタジアム)にも行かれましたよね。

 行きましたね。リベルタドーレス杯かな。マラドーナ席っていうのがあるんですよ、客席の上のほうに。ボカが調子悪かったのかな? そしたら試合中にテラスに出てきて両手で煽ると、スタジアムがグワーーーっと盛り上がる。すげーなって見ていた記憶があります。身を乗り出してみんなに「盛り上げろ!」って。雰囲気が一変して調子が良くなったみたいな。

権力者だろうが、媚びずにはっきり言う

――政治的な発言も多い方でした。

 権力者だろうが誰だろうが、媚びずにはっきり言うのは昔からでしたね。忖度して変な言葉を綺麗にまとめるとか、そういう発想はないのでしょうね。

 それが計算じゃなくて自然な行いで出てくる。きっとプレーもそうなんだろうな。何も考えてねぇんだろうな。アイデアが勝手に湧いてくる、そういうタイプですよね。

 薬物とかいろんな問題もあったけど、その生き方とか、そこを尊敬する人は多いと思います。波乱万丈。話題性には事欠かない。これも彼らしい生き方なのでしょう。

 FIFAとかアルゼンチンサッカー協会とかにたてついてきたのに、今みんなで黙祷している。そうさせるキャラクターも珍しい。

 特にプレー面でああいう特徴的なプレイヤーっていうのはなかなか出てこないだろうな。

 亡くなり方もマラドーナらしいのかもしれないですね。だから余計、神になっちゃう。冷静に考えれば残念だなと思うところはあるんだけれど、全てがマラドーナっていう物語で繋がっているのかなーって気がします。

 中村俊輔なんかもマラドーナに憧れていたって書いてあったけど、一緒にプレーできなかったのを悔やんでいたね。そういう面で俺なんかはプレーできたし、一緒に試合やれたこととか、一緒の時代を生きられたことに感謝しなきゃいけないんだなって思うね。 

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