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マラドーナVS日本代表 原博実が語る“幼稚園児扱い”「『おいでおいで』って来させてキュッと逆を…」
text by
いとうやまねYamane Ito
photograph byJIJI PRESS
posted2020/12/20 17:03
1988年8月12日、ゼロックス・スーパーサッカー日本代表vsナポリでフリーキックを蹴るマラドーナ(国立競技場)
歯が立たないってこういう感じなの?
――ナポリとの対戦は1988年。86年のワールドカップメキシコ大会の2年後です。
僕は88年までしか代表にいなかったから、本当に最後の年だったんです。国立でやった時にたまたまキャプテンだったので、試合前に握手して。それはすごく嬉しくてね。
その時のナポリはめちゃくちゃ強くて、カレッカがいてストッパーにイタリア代表のフェラーラ。他もみんなすごいメンバーでした。
自分が対戦した相手でいちばん強かったと思います。歯が立たないってこういう感じなの? って。ボカよりもチームとしては強かった印象です。
――原さんにもヘディングのチャンスが何度もありました。
チャンスあったんだよ。誰かがフェラーラに競り勝って、「やった! 入った!」と思ったら外しちゃいました。それ決めたかったなーって思いがすごくあった。悔しかったな。
「レフェリーがファウル取らないのが悪い」
――マラドーナはいろんな面で魅力的な選手でしたね。問題も多々ありましたが。
なんか憎めないんだよね。試合中も熱くなってレフェリーに詰め寄って、ワァーーーってやるけれど、ファウルした日本の選手が「ごめん」って謝ると、ペロっと舌出したりとか、ウィンクしたりとか。
本気で酷いプレーをされたら怒るんでしょうけど、やっぱりわかっているから。「お前はいいよ。レフェリーが取らないのが悪い」って。
なんか人間味があるんですよね。茶目っ気がある。子供がそのまま大人になっちゃったみたいな。それはなんとなく日本人にも感じ取れました。
――プレー以外にも影響を受けましたか?
ピチピチのパンツをはいていて、あれからピチピチのパンツが流行っちゃいました。当時のパンツ自体が小さいのだけど、またマラドーナがさらにパンパンなのをはいていて。太ももが物凄い太いじゃないですか。
靴紐も縛っているんだか縛ってないんだか。みんな一度は真似していましたよ。でもやりにくいから結局やめたけどね。