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マラドーナVS日本代表 原博実が語る“幼稚園児扱い”「『おいでおいで』って来させてキュッと逆を…」
posted2020/12/20 17:03
text by
いとうやまねYamane Ito
photograph by
JIJI PRESS
11月25日に亡くなったサッカー界のスーパースター、ディエゴ・マラドーナとの対戦経験を持つ数少ない日本の選手のひとりとして、元日本代表の原博実氏(日本プロサッカーリーグ副理事長・日本サッカー協会常務理事)に当時を振り返ってもらいました。
――日本代表のメンバーとして、マラドーナと3度対戦していますね。
初めは1982年のゼロックススーパーサッカーのボカ戦。3連戦で2試合出ました。もう1試合は88年のナポリ戦です。
マラドーナについては、79年の日本で開催されたワールドユースでアルゼンチンが優勝しましたよね。その時に出場した選手もいたし、僕らも映像は見ていたので、情報はある程度ありました。
でも実際に見た印象は、思っていたよりずっと小柄で、それでいて胸板がものすごく厚かったですね。
「スパイクでも何でも持って行ってくれ!」
記憶が正しければ、僕らは試合前に東京プリンスに泊まっていて、ボカの選手たちも同宿だったんです。今だと色々難しいですけど、マラドーナのスポンサーになっているメーカーの関係者がロビーにたくさん来ていました。
それで外にトラックかなんか置いて、「好きなの、スパイクでも何でも持って行ってくれ!」みたいなことをしていたんです。だからボカの選手たちはみんなそのメーカーのスパイクを履いていましたね。マラドーナがいたからでしょうけど、当時はメーカーのアプローチがオープンでした。
――国立で行われた試合当日の様子はどうでしたか?
試合前は、あの独特の前屈したストレッチがあるじゃないですか。それと肩でリフティングをしてみせたり。「やっぱ上手いんだな!」と、アップの時からみんなマラドーナばかり見ていた感じです。
――当時は海外のクラブチームとよく試合が組まれていましたよね。