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ビエルサが語った「失点の7通りのパターン」とは? リーズの強烈な“ハイプレス”の仕組みも愛弟子が解説 

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赤石晋一郎

赤石晋一郎Shinichiro Akaishi

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posted2020/12/12 17:01

ビエルサが語った「失点の7通りのパターン」とは? リーズの強烈な“ハイプレス”の仕組みも愛弟子が解説<Number Web> photograph by Getty Images

アーセナル戦でピッチに向けて指示を出すビエルサ

0-0の試合でもエンターテイメント性が高かった

「リーズは得点こそ奪えませんでしたが、DFからのビルドアップにより多くのチャンスを作っていました。リーズは自分たちのスタイルを信じて、勇気をもってプレーしているように見えました。ミスを怖がらずに、よい攻撃をするためのビルドアップに取り組んでいたことが大きな違いを生んでいました」(荒川)

 ゲームは後半6分、アーセナルのFWニコラ・ペペがマーカーのアリオスキに頭突きをするという蛮行をしでかしたことで一発レッドカードを受ける。ペペはビエルサがリール(フランス・リーグアン)を率いていた時の教え子でもあった。妙な因縁が巡るのもエル・ロコのフットボールドラマの不思議なところである。

「アーセナルが10人となり、割り切って守備に専念するようになり試合は難しくなりました。それでもリーズは多くの決定機を作っていました。前半に6回の決定機があり、アーセナルが守りに入った時間が長かった後半でも決定機は7回もありました」(荒川)

 数的不利になったアーセナルは自陣に引いてカウンター狙いに徹するようになり、試合は0-0のゴールレスドローで終わる。0-0の試合でもエンターテイメント性が高かったのは、リーズが常にリスクを冒して攻撃を試みていたからだといえるだろう。

エバートンとの名将同士の一戦

 11月28日はカルロ・アンチェロッティ監督が率いるエバートンとの一戦となった。名将同士の一戦に否が応でも期待が高まった。

 エバートンのシステムは「3-4-3」である。リーズはエバートンに合わせてシステムを「4-1-1-1-3」から「4-4-2」にトランスフォームしてこの試合に臨んだ。相手の3バックに対しては、バムフォードとハリソンの2FWで対応する。3トップに4バックで対応するのは通常通りだ。(図参照)

 リーズは守備時は「4-4-2」、攻撃時は「4-1-1-1-3」という、いつも通りの可変システムで試合は展開された。

 この試合でもリーズのハイプレスと、ビルドアップによる構築的な攻撃は猛威を振るった。

「試合のキーとなったのが、FWハリソンとSHラフィーニャのポジションを変えたことでした。エバートンの左サイドのイゥオビが常に高いポジションを取っていることでラフィーニャが守備に追われていたので、おそらくマルセロはよりハードワークタイプのハリソンをサイドに回したほうが、守備が安定し、両選手が活きると考えポジションを入れ替えたのだと思います」(荒川)

 このポジションチェンジにより得点が生まれる。後半34分、リーズは右サイドでエイリング、クリヒとパスを回すと、ボールを受けたハリソンが中央のポジションにいるラフィーニャにパス。ラフィーニャは守備に来たDFゴットフリーに動じることなくミドルシュートを放ちゴールを奪う。

【次ページ】 チェルシーのランパード監督は因縁の相手

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