酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
野球人気低下打破へ「2リーグ制“解体”→3地区制」さらに新球団誘致しては 【セパ格差危機に提言】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/12/02 11:03
もし3地区制になったら……ソフトバンクと阪神のペナントレース争い、というのも新鮮で面白いかもしれない
半年間もかけて143試合(今季は120試合)を戦って頂点に立ったチームが、わずか数試合のCSで2位、3位チームに敗退し、日本シリーズの出場権を得られない可能性がある。2位、3位チームにとって「下剋上」はうれしいかもしれないが、優勝チームにとっては「長い期間戦ってきたあの苦労は何だったのか」という喪失感が強いのは手に取るようにわかる。
セパを“解体”して3地区制にしたとする
筆者はセ・パ両リーグを“解体”し、本拠地の立地に基づく3地区に分けてペナントレースを実施してみては、と考えている。
ポストシーズンは、3地区の優勝チームと、2位チームの内、勝率の良い2チームによるワイルドカードゲームの勝者の4チームで戦えばよいだろう。つまり2019年までのMLBの各リーグのシステムと同じだ。
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例えば今季の各球団を3地区割にしてみよう。中地区と東地区の分け方は少々悩んだのだが……以下、今季成績を当てはめるとこうなる。
<西地区(West Division)>
1 ソフトバンク73勝42敗5分 率.635 差--
2 阪神60勝53敗7分 率.531 差17.0
3 広島52勝56敗12分 率.481 差22.5
4 オリックス45勝68敗7分 率.398 差27.5
<中地区(Central Division)>
1 巨人67勝45敗8分 率.598 差--
2 中日60勝55敗5分 率.522 差8.5
3 西武58勝58敗4分 率.500 差11.0
4 DeNA56勝58敗6分 率.491 差12.0
<東地区(East Division)>
1 ロッテ60勝57敗3分 率.513 差--
2 楽天55勝57敗8分 率.491 差2.5
3 日本ハム53勝62敗5分 率.461 差6.0
4 ヤクルト41勝69敗10分 率.373 差15.5
西地区はソフトバンク、中地区は巨人がぶっちぎりでの優勝となっているが、東地区は大接戦の末にロッテが制覇することになる。
PSには勝率2位の上位2チームが
ポストシーズンには、各地区優勝の3チームに加えて、勝率2位の上位2チームである阪神と中日のワイルドカードゲームの勝者が進出する。もちろん、この勝敗や地区分けはあくまで仮のものだが、イメージがわくのではないか。
そしてDH制は12球団で導入するし、全地区の運営は、NPB機構で取り仕切る。セ・パ両リーグ時代の段差はなくなるわけだ。