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「一方的に恋い焦がれている」巨人・菅野智之が語る“ダルビッシュマニア”をやめられない理由 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2021/04/29 06:03

「一方的に恋い焦がれている」巨人・菅野智之が語る“ダルビッシュマニア”をやめられない理由<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本球界を代表する投手、菅野智之はダルビッシュに“片思い”をしているという

「まず変化球が曲がる原理をしっかりと理解しているんですよ。観ているとダルビッシュさんは多分、それを凄く意識して投げていると思いますね。変化球ってボールの回転軸があって、特にスライダーに関しては、回転軸を下に向けたら縦気味に落ちますし、回転軸を横に向ければ向けるほど真横に滑るスライダーになる。しかもその回転軸の使い方によって、手首の角度も変えるようにしているみたいです。そういう話を聞いたので、そこは僕も参考にさせてもらって意識してやっているところですね。

 あと参考にさせてもらっているのは真っ直ぐの使いどころですね。ダルビッシュさんは結構、真ん中高めのフォーシームをよく使っているなってイメージがあります。ちょっとマニアックな話になりますが、ダルビッシュさんの真っ直ぐって、シュート成分が多めで、高めで使うと回転効率がすごく良くなるんですね。ウチでいったら戸郷(翔征)とかがそういう系の真っ直ぐなんです。で、日本の場合はそれが真ん中高めではなく、アウトコースの高めになるんですけど、とにかくバッターが待っていて、一番、手が出ちゃうところを使っているなってイメージがある。そういうデータの中で配球をしているのかなって見ていて思いますね。

 自分も真っ直ぐの使い方にはそういう意識があるから、ダルビッシュさんが、どんなカウントで、どういう風にその真っ直ぐを使っているのか。その辺が、今年はメジャーリーグのテレビ中継を観ていて、凄く気になった部分でした」

菅野がダルビッシュマニアをやめられない理由

 これだけマニアックにダルビッシュ情報を収集している菅野だが、実はダルビッシュ本人とはほとんど話をしたことはないのだという。

「ダルビッシュさんとの接点としては、浪人時代とプロ1年目くらいだったと思います。同じトレーニング施設を使っていて、そこで挨拶させていただく機会がありましたが、そんなに深く喋ったことはないんですね。もちろん食事とかプライベートでお目にかかったことも全くありません。一方的に恋い焦がれている……まあそんな感じですね(笑)」

【次ページ】 ダルビッシュという師の存在

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