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原晋監督「デコボコ駅伝」 3強で4位に沈んだ青学大「駅伝で“外す”選手と“外さない”選手の差とは?」
posted2020/11/04 17:01
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
KYODO
オンラインを通してではあったが、青山学院大の原晋監督が、悔しがっているのが分かった。
「デコボコ駅伝。いいところと違うところがハッキリしてしまった駅伝でした」
実は、全日本を原監督が「デコボコ駅伝」と総括したのは、これが2度目である。3年前の2017年、青学大は神奈川大、東海大の後塵を拝し、3位に終わった。
「デコボコ駅伝。1区で出遅れて、2区で追い上げる。かと思うと後退して、次にまた盛り返す。次、追い上げればというところで沈んじゃう。もう、疲れました」
駅伝は流れ。
今回の青学大は2区で後退し、3区の中村唯翔(2年・流経大柏)が盛り返すと、5区の佐藤一世(1年・八千代松陰)が区間新の走りでトップと10秒差の2位にまで順位を上げた。
しかし6区の山内健登(1年・樟南)が区間の中盤から苦しそうな表情となり、ライバル校に抜かれて6位へ。しかし、7区で主将の神林勇太(4年・九州学院)がすさまじい走りで留学生を抑えて区間賞を獲得、一気にトップに立った。
ところがーー。アンカーの吉田圭太(4年・世羅)が区間11位のブレーキで、優勝を逃した。沈んでも盛り返すあたり、青学大の底力を見たが、8人がそろって力を発揮することはできなかった。
8人中4人が「大学駅伝初登場」
誤解を恐れずにいえば、今回の全日本、原監督はリスクを覚悟のうえで、選手を試した。悔しさをにじませた会見で、原監督はひとつのキーワードを提示した。
「今回は“駅伝力”を見てみたかったんです」