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原晋監督「デコボコ駅伝」 3強で4位に沈んだ青学大「駅伝で“外す”選手と“外さない”選手の差とは?」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKYODO
posted2020/11/04 17:01
8区で青学大・吉田圭太(右)に追いつき、逆転する東海大・名取燎太(左)と駒大・田澤廉
しかし、原監督とすれば、7区で神林が抜け出したときには、優勝の予感を持ったのではないか。
あのまま、アンカーの吉田が先頭でゴールテープを切っていれば、デコボコ駅伝ではあったけれど、勝って反省できる最高の大会になったはずだ。
吉田の不調は意外だった。
10月3日、国士舘大学で行われた長距離競技会の5000mで、13分37秒34の青学記録を樹立したばかりだった。ひと月でここまで調子が下降してしまうことは考えられず、なにかしらのトラブルを抱えていたのかもしれない。
全日本は、4年生、そして新戦力の駅伝力が問われる場になった。
「駅伝は外さない」選手と「ミスで駅伝嫌いになる」選手
それにしても、駅伝力とはなんなのだろう?
これまでの取材の経験では、駅伝力には「素質」が必要であり、そしてまた、高校時代から場数を踏んだ「経験」も必要だと感じる。
「駅伝は絶対に外さない」という選手は確実に存在するし、一度のミスで駅伝嫌いになる選手もいる(選手であっても、誰もが好きなわけではない)。
また、瀬古利彦さんのように、
「箱根? 12月に福岡国際マラソンを走ったあと、ついでに走ってたようなもんだよ」
と言い切る猛者もいる。
おそらくは、素質と経験の掛け合わせなのだ。
原監督は、駅伝力を見極める天才だと思うが、今季はいかんせんデータが少ない。既存のデータに加え、独特の「勘どころ」が今季の青山学院の駅伝力を決めそうだ。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。