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“大混戦”全日本大学駅伝で見えた3強「駒大、東海大、青学大」の課題とは
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKYODO
posted2020/11/02 17:02
ゴール直前で東海大・名取燎太(左)をかわし、前に出る駒大のアンカー・田澤廉
これだけミスが多かったのは、コロナ禍の影響があったのかと思う。上半期は大会の延期、中止が相次ぎ、出雲駅伝まで中止になってしまったことで、下級生を中心とした新戦力を試す場が限られてしまった。
青学大のように駅伝未経験の1年生、2年生を多く投入した結果、裏目に出たケースもあったが、出雲のステップを踏んでいれば、より傷口は浅く済んだのではないか。
一方、中盤で先頭に立って見せ場を作った3位明治と5位に入った早稲田の2校は、全員が区間ひとケタの着実な走りを見せたことで上位に入った。合宿が思うように実施できないなど、厳しい環境下にあっても、安定したチーム作りのメソッドが感じられたのは評価できる。
3強、それぞれの“不安要素”とは?
さて、今後の強化スケジュールは、例年と違い、11月の大会が少ないのが監督たちの悩みだ。
青学大のメンバー選考にとって重要な意味を持つ世田谷246ハーフや、有力校が多く参加していた上尾ハーフが中止となったため、判断材料が少ない。部内のタイムトライアル(TT)を指標にせざるを得ないだろうが、公式の大会とTTでは切迫感に差がある。
こうなると、3強にしてもミスが起きる可能性は捨てきれない。
駒大は下級生の比率が3校の中ではいちばん高く、長い距離になっての不安を払拭しきれるかどうか。
東海大は4年生の柱がしっかりしており、その点は安心できるが、全日本で好走した1年生ふたりがどれだけ走れるかは未知数だ。
そして青学大は佐藤、そして3区を走った中村唯翔(2年・流経大柏)が勝負できるメドがついたが、今回ミスをした選手をどう扱うのか、原監督の手腕に注目したい。
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