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五輪内定の中村匠吾ら“箱根駅伝のヒーロー”が勢揃い 〈ニューイヤー駅伝予選会〉3つの「見るべきポイント」
posted2020/11/02 11:03
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
3日、東日本実業団対抗駅伝競走大会が開催される。
2021年元旦に開催されるニューイヤー駅伝の出場権を獲得するためのレースで、いわゆる東日本地区の予選会だ。東日本を含め北陸、中部、関西、中国、九州の6つの地域に分かれており、そこで勝ち抜いてきた全37チームが正月に駅伝を走ることになる。
今年の東日本実業団駅伝は、24チームが参加し、上位12チームが来年のニューイヤー駅伝出場権を得る。
レースは、例年、埼玉県庁をスタートし、深谷駅から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場をゴールとする76.9キロのコースだが、今年はコロナ禍の影響により、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場と公園内を走る4.2キロの特設コースになった。各チームは1区から7区まで全76.4キロを駆け抜け、12枠を争う。フラットなコースで公園内を走るので、レースは当時のコンディションが悪くなければ超高速になると予想される。
見どころは、3つある。
出場権争いは、「わずか5秒」の熾烈さ
1つは、ラスト3~4枠を争う熾烈な争いだ。
力のある選手をそろえて上位に入ってくる実業団チームの顔触れは、例年それほど変わらない。Honda、コニカミノルタ、GMOアスリーツ、ヤクルト、JR東日本、日立物流、カネボウ、SUBARUの8チームは大きなブレーキがなければ予選突破は堅い。そして昨年、1区と6区がブレーキとなり、17位でニューイヤー駅伝の出場を逃した富士通は、今回メンバーに中村匠吾、鈴木健吾、塩尻和也、坂東悠汰、浦野雄平ら主力をそろえ、万全を期して臨んできている。盤石に行けば、予選通過は間違いないだろ。
一方で、9位以降は今回も混戦になりそうだ。
中堅のチームは、ニューイヤー駅伝の出場を最大の目標にしているので、目の色を変えて戦いに臨んでくる。その結果、レースは僅差の勝負になる。2018年は、12位のJR東日本(3時間49分01秒)と13位のサンベルクス(3時間49分30秒)の差は、29秒。昨年は、12位のコモディイイダ(3時間46分53秒)と13位の八千代工業(3時間46分58秒)の差は、わずか5秒だった。
今年は特設の周回コースのため、昨年よりもさらに高速レースになることが予想される。スピードもある選手、例えば小松陽平がいるプレス工業、松村陣之助がいるコモディイイダ、小笹椋、郡司陽大のいる小森コーポレーションなどは有利かもしれない。出場権を争う12位付近はトラック勝負にもなりそうで、最後まで目が離せない。