箱根駅伝をにぎわせたヒーローも登場！

　箱根1区で区間賞を取り、アッと言わせた米満怜（コニカミノルタ）、箱根駅伝総合3位に入った國學院大のダブルエースの土方英和（Honda）、浦野雄平（富士通）は期待大だ。特に浦野は、7月ホクレン深川大会5000mにつづき、実業団対抗選手権5000mで13分30秒41と自己ベストを更新するなど好調だ。社会人としての駅伝デビューは、この東日本実業団駅伝でほぼ間違いないだろう。

　東京国際大のシード権獲得に大きく貢献した伊藤達彦（Honda）は、コロナ禍の影響で練習のやり方をうまくつかめず、仕事になじむまで時間を要した。だが、ホクレン深川大会の10000mで27分58秒43の自己ベスト、ホクレン千歳大会5000mでは13分33秒97の自己ベストを出すなど今は好調そのもの。スピードがあり、大学駅伝では強さを発揮していたので、デビューとなればアッと驚かせるような走りを見せてくれるだろう。

　吉田祐也（GMOインターネットグループ）も期待の1人だ。往路4区で区間新の走りで青学大の箱根駅伝優勝に貢献。卒業後、競技を引退する予定だったが、大分別府マラソンで2時間8分30秒という日本人トップの成績を収めて、現役続行を決めた。ルーキーイヤーは、5000m（13分36秒86）、10000m（28分19秒07）ともに自己ベストを更新。着実に成長しており、福岡国際マラソン出場に向けてちょうど1か月前のタイミングで刺激を入れる意味でも出場してくるだろう。

2020年の箱根駅伝では、往路4区を担当。区間新の走りで青学大の箱根駅伝優勝に貢献した　©Yuki Suenaga

　他にも東海大の箱根初優勝に貢献した黄金世代でスピードランナーの小松陽平（プレス工業）、郡司陽大（小森コーポレーション）、駒澤のダブル中村“たいせい”としてチームを支えた中村大成（富士通）、中村大聖（ヤクルト）、神奈川大で活躍した越川堅太（日立物流）もエントリーしている。ルーキーたちはお互いを意識しており、負けられないと気持ちをたぎらせている。彼らが同区間で走る可能性もあり、激烈なレース展開も期待できる。

　箱根駅伝をにぎわせたヒーローたちや彼らを支える3、4年目の主力、そしてエース――。

　三位一体の分厚い選手層を誇るチーム、そして今回は高速レースとなるため、スピードに優れた選手を保持しているチームが圧倒的に有利だ。華やかなスター選手の走りが注目されるなか、トップチームの上位争い、当落線上チームの戦い、ルーキーの走り……と今年の東日本実業団駅伝も見どころ満載だ。