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ストッパー酒井宏樹は大収穫も “引き出しにある対応策をすぐ取り出せない” 森保Jの再課題 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2020/10/10 17:03

ストッパー酒井宏樹は大収穫も  “引き出しにある対応策をすぐ取り出せない” 森保Jの再課題<Number Web> photograph by Getty Images

カメルーン戦はスコアレスドローに終わったものの、酒井宏樹が3バックの右に入った後半の守備の安定感は上々だった

アジア杯決勝でも修正できたのは……

 プレスが空振りし、ただ体力を消耗するだけの前半を見て思い出したのは、19年1月のアジアカップ決勝のカタール戦だ。この試合でも3バックの相手に対してプレスが空振りし、ようやく修正を施したのは、2点を失ったあとだった。

 一度、引き出しに入れたはずの対応策を、すぐに取り出せない――。約1年のブランクによる影響は、この辺りに見て取れた。

 森保監督が“答え”を提示するのではなく、選手たちに最適解を導き出させるスタンスを採ってきたのは、今に始まったことではない。相手が試合中に戦い方を変えてこようと、臨機応変に、柔軟に、対応できるようになるための近道だと信じているからだ。

 だからこそ、選手たちはトレーニングにおける摺り合わせだけでなく、オフ・ザ・ピッチでディスカッションを行い、さらには試合中、ピッチ上でコミュニケーションを取ることが欠かせない。チームを導く“ピッチ上の指揮官”となるべき人物は、果たして誰なのか。いや、理想は11人全員がそうなることだろう。

 今回は1年間のブランクを理由にできる。しかしそのエクスキューズがいつまでも通用するわけではないのだから。

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