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南野拓実とリバプール同僚の「2年目」は、誰にとってもキャリアの勝負所 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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posted2020/09/28 08:00

南野拓実とリバプール同僚の「2年目」は、誰にとってもキャリアの勝負所<Number Web> photograph by Getty Images

カラバオ・カップで3部相手ながら2得点を奪った南野拓実。次は限られた時間の中でリーグ戦初ゴールが欲しい

2年目で大飛躍したファンダイク

 17-18シーズン前半のリバプールといえば、とにかく守備の脆さが課題だった。19試合を終えて失点数は上位6チームで最多の「23」。新加入サラーの17ゴールを筆頭に41得点を挙げた攻撃陣の奮闘がなければ、4位にいることはなかったはずだ。

 入れ替わる形でバルセロナへ飛び立ったフィリペ・コウチーニョの放出と天秤にかけるメディアも多くあったが、結果的にみればファンダイクの獲得を優先したリバプールの判断は正しかった。

 マティプ、ロブレン、クラバンを併用した最終ラインは、カウンターやセットプレーでの対応が甘かった。そこに高さと速さをカバーできるファンダイクを置くことで、それらの課題を大きく克服した印象だ。

 2年目のファンダイクの活躍はここで説明するまでもないかもしれない。特に対人守備で彼が度々フォーカスされていたのは記憶に新しいだろう。

 データ集計会社『Opta』によれば、ファンダイクは2018年3月からプレミアリーグにおいて、50試合、17カ月にもわたりドリブル突破阻止率100%を記録していた。18-19シーズンまるごと、相手に一度も抜かれなかったということだ。

 このシーズン、チームは14年ぶりに欧州王者の座に輝くわけだが、2位に終わったリーグ戦でも守備面の改善が結果として現れた。

 リバプールの失点数はリーグ最少の「22」。前季の前半戦失点数よりも少ないのだ。GKアリソンの補強も加味するべきだが、加入2年目にしてリーグ戦全試合に出場し、レッズの最終ラインを統率したファンダイクがいなければ成し得なかっただろう。

個人でもバロンドール2位に入る大活躍

 加えて個人としては2019年のバロンドールで惜しくも7票差でメッシに次ぐ2位に終わったものの、ファビオ・カンナバーロ氏以来13年ぶりとなるディフェンダーの受賞を期待させる活躍だったことは事実だ。

 ドリブル突破阻止、CL優勝、バロンドール――加入2年目はファンダイクにとって飛躍のシーズンになったことは間違いない。

 とはいえファンダイクはサウサンプトンで2シーズン半を過ごし、プレミアリーグとは何たるやを知っていた。スピード、フィジカル、今や戦術までも世界最高峰のプレミアリーグは、経験しているか否かで差が生まれるだろう。

【次ページ】 プレミア初挑戦、2人のCBは?

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