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南野拓実とリバプール同僚の「2年目」は、誰にとってもキャリアの勝負所
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2020/09/28 08:00
カラバオ・カップで3部相手ながら2得点を奪った南野拓実。次は限られた時間の中でリーグ戦初ゴールが欲しい
プレミア初挑戦、2人のCBは?
次はオーストリアから移籍した南野と同じく、リバプール加入が同時にプレミア初挑戦となった選手をみてみよう。
まずは2016年夏に加入した2人のセンターバックを取り上げたい。
ひとりは30歳でアウクスブルクから加入したラグナル・クラバンだ。彼はバックアッパーとしての役割との見立てだったが、1年目はリーグ戦15試合に先発出場した。特に過密日程になる12月から1月にかけては、負傷離脱したマティプの穴埋めとして主力級の働きをみせた。
2年目となる17-18シーズンは完全に主力の1ピースとして数えられ、前半戦で11試合に先発。ただスピードや裏のスペースの対応などに不安をみせた。
このシーズン中にクラバンがレッズで上げた唯一のゴールは、彼を語るうえで欠かせないだろう。
ファンダイク加入直後に迎えた2018年1月1日のバーンリー戦。1-1で迎えた後半ATのセットプレーで、ロブレンの折り返しを頭でねじ込み劇的な決勝ゴールを挙げた。勢いあまってゴールネット奥の広告看板に激突したシーンは、クラバンの立場も相まって覚えている人は多いかもしれない。
その思いの丈が詰まったゴールも虚しく、ファンダイク加入後は出場機会がめっきり減ってしまったクラバンは、シーズン終了後にカリアリへ移籍した。
バックアッパーの存在としてみるなら成功以上のものであっただろう。ただリバプールのようなビッグクラブでは、代わりになる相応しい選手を補強されると、簡単に立場を失ってしまう典型的な例でもあるはずだ。
マティプもレギュラーを得た、はずが
もうひとりはシャルケからフリーで加入したジョエル・マティプだ。
実はクロップ監督はドルトムント時代からこのカメルーン人センターバックを欲しがっていたといい、シャルケとライバル関係にあるクラブでは絶対に叶わぬ願望をリバプールに来てすぐに叶えたという背景がある。
そんなクロップ最初の“肝煎り人事”だったわけで、マティプは加入初年度から主力としてプレー。主にロヴレンとタッグを組み、リーグ戦29試合に出場した。
翌17-18シーズンも同じく前半戦はレギュラーとしてプレーし、振るわない守備陣を盛り立てた。冬以降はファンダイクを新たな相棒に、失点もぐんと減って――。
しかし、マティプの2年目の終わりは突然やってきた。