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どうなる2020年ジェイミージャパン。幻の“エイトネーションズ”、11月はNZ遠征に?
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/09/04 11:50
この秋の代表活動はいまだ不透明の状態。W杯後初となる代表マッチを望むファンも多いことだろう。
1カ国集中開催の南半球勢。
では今年の「秋の国際交流シーズン」は(春に当たる南半球では「イヤーエンド(年末)ツアー」と呼んだりする)どう変貌しているのか。
南半球にとっては、稼ぎどきだった7月の国際交流月間は、当然ながらすべて中止となった。11月は、例年なら北へ遠征するところだが、その前に自分たち南半球勢が自前で試合を開催して収入を確保しなければならない。それは北も同じで、南が来ないなら自分たちで試合をするしかない。ということで、南北それぞれで大会を開催される。
南半球では、例年8~9月にかけて行なわれてきたザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗)を約2カ月遅れで実施する。とはいえ、ニュージーランドが世界で最も厳しいとも言われる国境管理政策を採ったように、どこの国も入国の際は2週間の経過観察措置を強いられる。互いに移動しながらの試合開催は考えられない。ゆえにオーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンを含めた4カ国が1カ国に集まり、6週間かけて2回戦総当たりの大会を集中開催する方向が固まった。仮に無観客であっても試合を行えば放映権料を稼げるからそれを分配する。場所は必然的にニュージーランドになる。
欧州が考案した「エイトネーションズ」。
では、南半球4カ国の来訪がなくなった北半球勢はどうするか。こちらも、テストマッチの入場料と放映権料は協会を支える屋台骨だ。南北交流シリーズに代わる収入源を確保しなければならない。まず2~3月に開催された「シックスネーションズ」の未消化試合4試合を行おう。ではそのあとをどうするか。
そこで出てきたのが、欧州6カ国同士の対戦に、日本とフィジーを呼ぶ「エイトネーションズ」という構想だ。「客を呼べる」存在となった日本と、“世界で最も観客を喜ばせる”と言われるフィジーは欧州勢にとってうってつけの存在だ。
……だが、それはあくまで欧州からの視点だ。では日本から見たらどうなるか。