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大物が続々参戦、トップリーグの「ユニークな魅力」。再開へ舵を切る世界のラグビーとの違いとは?

posted2020/09/04 11:45

 
大物が続々参戦、トップリーグの「ユニークな魅力」。再開へ舵を切る世界のラグビーとの違いとは? <Number Web> photograph by AFLO

「スーパーラグビー・アオテアロア」の開幕戦には4万人超の観客が。ファンと撮影するボーデン・バレットも来季からサントリーに加入する。

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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 収まりそうで収まらない。収束という2文字はふわふわと漂うばかりで、地面には新たな見えないウイルスが舞い降り続ける。

 いまだ収束の見えない新型コロナウイルスの感染拡大。あらゆるスポーツがその対策あるいは共存の方法を模索している。それはラグビーも同じだ。

 世界に先駆けて封じ込めに成功し、ラグビーも再開したのがニュージーランドだ。6月から国内限定リーグ「スーパーラグビー・アオテアロア」で世界にラグビー再開を発信。第1週にオークランドのイーデンパーク(1987年と2011年のW杯で開幕戦と決勝が行われたスタジアムだ!)には4万人超の観衆が、マスクもせずに集まり密になって声援を送った。

NZでさえも、再拡大は避けられない。

 そこにはコロナ制圧後の未来の希望が垣間見えたが……南半球の真冬に当たる8月に入って感染が再拡大。最終節に、やはりイーデンパークで行われるはずだったブルーズvs.クルセイダーズが中止となり、8月29日にこれもイーデンパークに4万人超の観客を集めて行われるはずだった「北島vs.南島」による(実質的な)オールブラックス・トライアルマッチも、再拡大の震源地となったオークランドを避け、9月5日のウエリントンに日時を移した上に無観客で行われることになった。

 国をあげて“NOコロナ”を目指したニュージーランドの施策は世界から高い評価を受け、また国民の支持も高いが、経済活動や人の交流が再開すれば再拡大は避けられないという厳しい現実も突きつけられた。

 オーストラリアもまた、国内リーグ「スーパーラグビーAU」をスタート。しかしオーストラリアは州ごとに感染状況が異なり、感染者数の最も多いヴィクトリア州のメルボルンが本拠地のレベルズは、州をまたいだ移動に伴い課せられる隔離を避け、ホーム試合をすべてニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州のスタジアムで開催。長距離移動を伴う西オーストラリア州パースが本拠地のフォースも、ホーム試合すべてを東部の2州で開催した。

【次ページ】 再開の舵を切った欧州ラグビー。

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