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グランドスラムを打って謝罪する?
メジャーに受け継がれる不文律。 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2020/08/24 11:30

グランドスラムを打って謝罪する?メジャーに受け継がれる不文律。<Number Web> photograph by Getty Images

昨季は打率.317、22本塁打で新人王投票3位に入ったタティスJr.。今季も打率.317、12本塁打(8月20日現在)で、チームを引っ張る存在だ。

「我々はこれを最後にしたい」

 タティスJr.と言えば、かつてカージナルスなどで通算113本塁打の実績を残し、1999年に史上初の1イニング満塁弾2本の偉業を達成したタティスSr.を父に持つサラブレッド。それでも、認識していない不文律があった。

 球界の暗黙のルールといえば、「大量リードでは盗塁しない」、「ノーヒッターをバント安打で阻止してはいけない」など、スポーツマンシップの精神に基づいたものが多い。今回のカウント3-0論議も同様で、敵とはいえ相手を尊重する姿勢があるか、否か、に線引きがあると指摘する意見もある。

 タティスJr.の満塁弾の後、次打者のマニー・マチャドに対し、背中を通す危険球を投げたことが故意とみなされ、イアン・ギバウト投手には3試合、ウッドワード監督には1試合の出場停止処分が科せられた。暗黙のルールを破ったことに対する報復行為だったことを、機構側が認識したからだった。

 では、勝利の安全圏とされるセーフティー・リードが、7点差なのか10点差なのか……。巷間での議論が白熱する一方で、パドレスのジェイス・ティングラー監督は、冷静に言った。

「彼(タティスJr.)は若い。自由な精神で試合に集中している。我々はこれを最後にしたい。学ぶ機会だったと思う」

 長い時間をかけて不文律を定めたのは、ファンでもなければメディアでもない。

 ただ、タティスJr.は、今後、同じ状況で絶対にスイングしないはずだ。

 グラウンド上で、必死に戦う選手たちの皮膚感覚は、おそらく、今も昔も変わっていない。

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